奈良県:奈良市西ふれあい広場用地取得・住民訴訟 大川元市長が補助参加「個人の便宜図ったことない」、裁量逸脱否定
奈良市の西ふれあい広場計画をめぐる問題で、市市民オンブズマンの桐山幸矩代表幹事ら4人が仲川元庸市長を相手取り、市が市土地開発公社に不必要な土地を高額で先行取得させたのは違法として、当時の大川靖則・元市長らに損害賠償請求するよう求めた住民訴訟の第2回口頭弁論が28日、奈良地裁であった。
大川元市長が、訴訟の結果によっては市から損害賠償請求をされる可能性があるとして、訴訟への補助参加を申し出た。申出書では、土地買収で「個人の便宜を図ったことはない」と裁量の逸脱・乱用を否定した。
訴えでは、市は2012年10月、公社が広場用地約4万8000平方メートルを取得するために金融機関から借りた約18億1263万円にその利息を合わせた約21億5503万円を、公社解散に当たり肩代わりして返済した。大川元市長らによる裁量の逸脱・乱用により、市に同金額の損害を与えたとしている。
大川元市長は補助参加申出書で、訴訟の前提となる住民監査請求について、1994年~2000年に行われた市と公社の土地買収委託契約の締結から1年以上を経過し、地方自治法が定める監査請求期間を徒過しており、訴えは不適法と主張した。
同法は「正当な理由があるときは、この限りではない」としており、住民が相当な注意力をもって調査しても監査請求をするに足りる程度に当該行為の内容を知ることができなかった場合などが該当するとされているが、この点についても「正当な理由はない」と主張した。
その理由として、大川元市長は、01年には00年度中に取得した土地の面積や契約金額を記した公社の事業報告書が、04年には市による土地の買い戻しが遅れ、借入金利息の負担が増大していることを指摘した市の包括外部監査報告書などがそれぞれ、住民の閲覧に供されていることした。監査請求はこれらの日から相当な期間を経過しているとした。
原告からの裁量の逸脱・乱用との指摘に対しては、一切ないと否定した。大川元市長は、西ふれあい広場計画について、土地の寄付があったこと▽市西部の自治連合会から住民が集える場所をつくってほしいとの要望があったこと▽周辺で都市計画道路の計画が進行中であったこと―などで具体化していったとし、誰かに土地の買収を依頼されたことはなく、購入価格についても鑑定士による鑑定の結果を踏まえたもので主観を挟む余地はないとした。
仮に土地買収委託契約の締結が不法行為に当たるとしても、3年以上が経過しており、損害賠償請求権は時効により消滅していると主張した。
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