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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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ジャーナリスト浅野詠子

情報公開で誤って任意開示扱い 不服申し立ての権利奪う可能性 奈良市、土地開発公社契約書の請求受け

奈良市が誤って通知した任意開示回答書(左)とあらためて発行された開示決定通知書

奈良市が誤って通知した任意開示回答書(左)とあらためて発行された開示決定通知書

 奈良市が市土地開発公社(2013年解散)に買収させた同市横井町の山林が利用されずに22年間放置されている問題で、「奈良の声」が市情報公開条例に基づいて開示請求した、山林買収の際の契約書と土地の鑑定評価書を、市が誤って任意開示扱いの文書と判断していたことが分かった。任意開示は市の努力義務に基づいており行政処分に当たらないため、開示請求者は開示内容に不服があっても申し立てができない。

 記者は、開示請求に対する市の決定内容の通知が「行政文書任意開示回答書」であったことに疑問を感じ、市にその理由を確認。公社が契約書などを作成したのは、条例が施行された1998年4月1日以前だったことから、市は当初、条例の付則に基づいて任意開示の扱いにしていた。しかし、再調査をしたところ、市長部局が公社から同契約書などを取得したのは条例施行日以降だったため、開示義務の対象となることが分かったという。

 条例は、施行後に作成または取得された行政文書に適用され、施行前については市は開示の申し出に応じるよう努めるものとすると定めている。

 市は当初の通知を取り消し、あらためて「行政文書開示決定通知書」を発行した。これに伴う開示内容の変更はなかったが、土地売買の仲介をした人物の氏名が不開示だった。記者は決定を不服として、行政不服審査法に基づいて審査請求した。

 奈良市土地開発公社は公有地拡大推進法に基づく市の特別法人。市民の目が届きにくく、買収した土地の大半が塩漬け土地となり、市に巨額の借金が残った。同山林の買収費と借入金利を合わせた約4億3000万円を含む、173億4700万円の同公社不良債権処理に伴う特別債(第三セクター等改革推進債)の返済は2032年まで続く。

 単に古い年代に作成された文書として機械的に処理しようとした今回の市の誤りは、公社の記憶が庁内で薄れていることを物語る。情報公開制度を担当する市総務課は文書で記者に謝罪した。 関連記事へ

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