卑弥呼題材の歴史ファンタジー映画 奈良県をロケ地に制作進行中
明神山山頂でロケに臨む主人公の大学生役の中村陽菜さん(左)と卑弥呼役のひづきようこさん=2022年9月22日、奈良県王寺町畠田(浅野善一撮影)
邪馬台国の女王卑弥呼を題材にした映画の制作が、ゆかりの地である奈良県をロケ地として進んでいる。映画は、現代を舞台に夢の中に現れた卑弥呼の謎を女子大学生が追う「歴史ロマンファンタジー」。制作関係者は、奈良を盛り上げることにも貢献したい、と意気込んでいる。公開は2023年春の予定。
映画のタイトルは「THE HIMIKO LEGEND OF YAMATAIKOKU(ザ・ヒミコ レジェンド・オブ・ヤマタイコク)」。制作は、関西を拠点に活動する脚本家やカメラマン、歌手、ヘアメークアーティスト、衣装担当者、経理担当者で構成される「THE HIMIKO」制作委員会 。県内自治体では王寺町と三郷町が制作に協賛、協力している。
映画の主人公は大学卒業を控えた女子学生、神宮寺日向子。日向子は卒業後の進路も卒業論文のテーマも決められず悩んでいた。そんなとき、幼なじみが卒業論文のテーマに「卑弥呼の夢」を提案した。というのも日向子が幼い頃からずっと、卑弥呼が夢の中に現れていたから。日向子が卑弥呼と邪馬台国について調べ始めると、周りで次々と不可解なことが起こった。
出演は、日向子役に中村陽菜さん、卑弥呼役に神戸市を拠点に活動する歌手のひづきようこさん。このほか、冨家ノリマサさん、村田雄浩さん、田中要次さん、戦場カメラマンの渡部陽一さん、奈良市観光大使も務める高井俊彦さんら活躍中の多数の俳優らが名前を連ねる。
奈良県内のロケ地は、邪馬台国の候補地として知られる纒向遺跡や卑弥呼の墓の説がある箸墓古墳のほか、龍田古道や屯鶴峯、奈良市の東向商店街など10カ所を超える。
明神山山頂で行われたロケの風景=2022年9月22日、奈良県王寺町畠田(浅野善一撮影)
今年9月22日には、王寺町の明神山でクライマックスとなる場面を撮影した。出演者や制作関係者が未明から準備を始め、夜明けを待った。古代史の舞台となった奈良盆地を一望できる山頂で、主人公の日向子と卑弥呼が朝日を受けながら言葉を交わす様子がカメラに収められた。
共同監督の一人で脚本を担当したMAGUMA(マグマ)さんは、映画に込めた思いについて「卑弥呼の歴史を楽しく知っていただくとともに、コロナ禍で落ち込んだりする人が増えているので、誰でも太陽のように輝いて主役になれるということに気付いてもらえれば。邪馬台国畿内説の地である奈良を盛り上げることにも貢献したい」と話している。
協賛企業を募集
制作委員会は、制作資金の協賛をしてくれる企業や個人を募集している。また、クラウドファンディングでも支援を求める予定。問い合わせは同制作委員会、電子メールqueen.himiko135@gmail.com 同映画のウェブサイトのアドレスはhttps://thehimiko.hp.peraichi.com/?_ga=2.230903898.417940068.1663944644-1193384571.1663581839
制作委員会によると、同映画は当初、別の監督の下、別のタイトルで企画された。ところが、この監督が集め、管理していた協賛金を巡って問題が発覚。制作に参加していた関係者で監督を降板させるとともに、新たに制作委員会を発足させ、別の企画として制作を開始した。協賛金もあらためてゼロから集めている。 関連記事へ