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第4回「奈良の声」読者会の報告

ジャーナリスト浅野詠子

なら歴史芸術文化村、ホール使用申し込み日が使用日当日 仮予約のみで申込書が形式的になっていた可能性 オープン当初の2022年度

文化ホールがある「なら歴史芸術文化村」=奈良県天理市杣之内町、2026年8月24日、浅野詠子撮影

文化ホールがある「なら歴史芸術文化村」=奈良県天理市杣之内町、2026年8月24日、浅野詠子撮影

 奈良県天理市杣之内町の県施設、なら歴史芸術文化村がオープンした2022年、文化ホール(272席)の使用申込書の申し込み日が使用日当日になっている事例が複数あることが分かった。仮予約の手続きを経てはいるものの申込書の提出が形式的になっていた可能性がある。

 同ホールには、県が桜井市から借りているピアノの名器、スタインウエイグランドピアノがあり、「奈良の声」記者は2024年度当初、県に対し同施設オープン以降の活用状況が分かる文書を県情報公開条例に基づき開示請求した。ピアノは桜井市民会館で使用されてきたが、休館となったため県に無償で貸している。

 これに対し2022年4月から2024年1月までの同ピアノを使用した行事36件の同ホール使用申込書が開示された。このうち9件の申込書の申し込み日がホールの使用日当日だった。いずれも2022年度中の行事で、翌2023年度はなかった。改められた可能性がある。

 同施設には文化ホールのほか、セミナールーム、調理設備のある実習室などの貸室があり、ホームページで公開されている「貸室案内」によると、申し込み者はホームページまたは電話で希望日時の空き状況を確認し、仮予約をした上で使用申込書を提出、施設側は利用料の支払いが確認できた段階で、申し込み者に使用承認書を交付。申し込み者は使用日当日に承認書を提示することになっている。

 問題の9件では使用日当日に申込書の提出と承認書の交付が行われていたことになる。

 開示された申込書のうち、行政などが関わる公開の行事は使用者名が開示された。特に際立っていたのが県を主体とした「ムジークフェストなら実行委員会」の行事で、2022年5月20日から3日間、ホールを使用したが、申込書の申し込み日は最終日の22日だった。

 同実行委の事務局がある県文化振興課は「なぜそんな記載がなされたのか当時の事情は確認できない。実行委員会は仮予約をしていたはずだが、使用申込書は本来、事前に提出するべきもの」と話した。

 また、桜井市が2023年2月4日に開催した「なら歴史芸術文化村『桜井デー』」と同施設が主催した同年3月19日の「観(み)て楽しいコンサート&鉄道トークショー」も、申込書の申し込み日が使用日当日だった。

 県が施設の管理運営を委託している指定管理者の民間事業者は取材に対し「申込書の日付がなぜそうなっていたのか、現在のスタッフは当時と入れ替わっており、理由は分からない」と話した。その上で「当社が本格的な文化ホールの運営を担当するのは、なら歴史芸術文化村が初めてで、開館してすぐの数カ月間は不安要素もあった」と話した。

筆者情報

記者講演録)奈良県橿原文化会館の存続を求める催しで基調講演

奈良県橿原文化会館=2025年6月、橿原市北八木町3丁目、浅野詠子撮影

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