地域の身近な問題を掘り下げて取材しています
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拠点・奈良県奈良市 運営者・浅野善一
冬鳥、寒さ避け集まる
環境多様な馬見丘陵公園―22―
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2013年1月28日
↑サルスベリのこずえに止まり種子をついばむマヒワ=2013年1月3日、広陵町と河合町にまたがる馬見丘陵公園
↑植物の芽をついばむベニマシコ=2013年1月12日、同所
↑馬見丘陵公園の中にある大きな池=2013年1月27日、同所

 厳冬の寒さが続く1月中旬。通年、山麓に多くやって来るアトリやマヒワの群れが、例年にない寒さのためか今年はあまり見られない。しかし、市街地の小さな公園や都市公園などでは、ツグミやアトリ、マヒワ、ニュウナイスズメなど、寒さを避ける冬鳥たちが数多く集まり、観察されている。

 中でも奈良県広陵町と河合町にまたがる馬見丘陵公園では、マヒワやシメ、ベニマシコなどたくさんの種類の野鳥が見られ、普段見ることの少ない珍鳥のオジロビタキまでが飛来し、野鳥ファンを楽しませている。

 マヒワは冬鳥として全国各地の山林や里山に飛来し、体長は約12センチ。くちばしは淡いピンク色で頭頂が黒く、背面から尾にかけてと胸は鮮やかな黄色。腹部はやや黄色の混じった白で、無数の黒い縦斑がある。また、翼の縁に黒い部分があるのも特徴だ。たくさんの群れになって飛翔し「ジュイ―ン、ジュイ―ン」と鳴きながら移動する。主に植物の種子を好むため園内にあるハンノキやサルスベリなどにやって来て種子をついばむ。

 また、ベニマシコは北海道や青森県の一部で繁殖し冬になると本州以南に移動する標鳥で、体長約15センチ。くちばしは赤みがかった黒色。頭部は灰色で背面は淡い黄褐色。尾羽は黒く、胸から腹部にかけては鮮やかなピンク色で無数の淡い縦斑がある。翼の縁に黒と白の帯があるのも特徴だ。主にイネ科やタデ科の草の実を好むため林縁の草地で見かけることがあるが、草に隠れている場合が多く見つけるのは難しい。

 広大な公園敷地(東西約0.7キロ、南北約2.5キロ)には無数の古墳が点在し、人工のせせらぎや池などの水場、草地や芝生広場などの餌場もある。また、コブシやムクロジュ、モミジなど樹木の種類も多く、多様な環境が存在するため、多くの種類の野鳥が生息している。紹介した野鳥以外にもシメやシロハラ、ジョウビタキ、ルリビタキなどの冬鳥が観察される。また池の方に目をやると、コガモやマガモ、キンクロハジロ、カワアイサなどのカモ類が水面で羽を休め、池の周囲にある落葉樹にはカワセミが止まって水中の小魚を狙っている。

 都市公園の中でも四季を通じて、たくさんの種類の野鳥が飛来する馬見丘陵公園。野鳥に関心のある方はぜひ一度訪れ、バ―ドウオッチングを楽しんでみてはいかがだろうか。

 (よな・しょうぞう=野鳥写真家、生駒市在住)=毎月第2、4月曜に更新

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