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地域の身近な問題を掘り下げて取材しています

発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

奈良県)奈良市、公園遊具の色、多様に 青ばかり改め

彩り豊かになった奈良市の都市公園の滑り台

赤色や黄色が取り入れられた奈良市の都市公園の滑り台。奥のジャングルジムは従来の青色=2015年5月26日、同市佐保台2丁目の佐保台第3号街区公園

彩り豊かになったジャングルジム

黄色や緑色が取り入れられたジャングルジム=2015年5月25日、奈良市六条西6丁目の六条西六丁目2号街区公園

遊具の色が青ばかりの従来の奈良市の都市公園

従来の奈良市の都市公園。手前からジャングルジム、鉄棒、ブランコ、滑り台などすべて青色=2015年5月26日、奈良市六条西6丁目の六条西六丁目1号街区公園

 ほとんど青一色だった奈良市の公園の遊具に最近、多様な色を取り入れたものがお目見えし始めた。市は従来の青一色を改め、老朽化に伴って更新する遊具を順次、明るい配色を中心にしたものに変えている。市への取材で分かった。ジャングルジムのてっぺんには黄、滑り台の滑る部分には赤など、子供たちが楽しく感じられるような色を使う。公園の風景も違って見える。

 遊具が青一色だったのは、青が公園の中でよく目立ち、また、1色なら塗装など維持管理上も効率が良いと考えられていたためとみられる。一方で、青ばかりだと寂しく単調な印象も与える。「奈良の声」でも、奈良市の公園の遊具はなぜ青ばかりなのかと、2011年11月14日付の記事で疑問を投げかけていた。青一色の遊具は、同市以外の地域でもよく見られる。

 奈良市公園緑地課によると、色の見直しのきっかけは、公園施設の長寿命化計画の策定。自治体が同計画を策定し、施設の更新などを行う場合に、国土交通省が費用の2分の1を補助する制度を設けたのを受け、市は2012年度、15年度までの4カ年計画で策定に着手した。

 市が管理する都市公園525カ所の遊具を順次点検。13年度までに255カ所の点検を終え、老朽化で危険度が高いと判定された、34公園の滑り台と4公園のジャングルジムを新しくした。同課の担当者によると、「市の公園の遊具は青ばかり。青は寂しい色なので、更新を機に子供が遊びたくなるような色を考えた」という。

 滑り台は赤、黄、だいだいなどの4色、ジャングルジムは黄、緑などの3色とした。子供たちが楽しさを感じられるようにと、混じり気のない原色を選んだ。更新が行われた公園では、青一色の中に彩りを添えたようになった。今後、更新した年度ごとに配色を変え、更新の年度を色で確認できるようにする。

 15年度は残る270公園の遊具を点検する。更新は16年度以降、国交省にあらためて補助を申請することになる。事業費は12~14年度が合わせて6700万円、15年度予算は3500万円。いずれも市の負担は半分。遊具の寿命は25~35年という。

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