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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

県庁横の歩道撤去、荒井知事「人通っていなかった」 会見で決めつけ

撤去された歩道の位置図

撤去された歩道と、歩道の代わりという県文化会館広場の通路、観光バスの動線を図で示した(「奈良の声」作成)

 奈良県が県庁横の奈良市道において車道拡幅のため歩道を撤去した問題が、8月19日の荒井正吾知事の定例記者会見で取り上げられたことが、県のホームページで24日までに公開された会見の動画から分かった。【記事の最後に会見の概要】

 危険な車道の路肩を歩く人が後を絶たないことについて、荒井知事は、近道をしたいという歩行者の心理があるためではないかと述べた。また、歩道がなくなった所を歩いている人は目立つ、とも述べた。荒井知事は、県の歩道撤去の是非には触れず、歩行者の心理や見た目の感じ方の問題として論じた。

 県広報広聴課によると、定例記者会見は県政・経済記者クラブの主催で、新聞、放送などクラブ加盟社を対象に開かれている。県は後日、会見の動画をホームページで公開している。19日の会見は23日に公開された。

 動画によると、会見では記者側から「県庁の西側で歩道が撤去されてから、路肩を歩く人がすごく増え、最近、新たに注意書きの看板も設置されているが、安全対策はどのように考えているのか」と質問があった。

 荒井知事は問題が起きていることについて、「歩道があったときはあまり歩かないで、歩道がなくなると歩くようになったのかな。そういうこともないと思うが」と冗談めかして言った。また、「今までは歩道がどうしてあったのかな、というぐらいに人が通ってなくて、目立たなかったが、歩道がなくなると、歩道がない所を歩いている人は本当に目立つこともある」と決めつけた。「こんなとこ歩いてもらっちゃ危ないなと思った」とも述べた。

 路肩を歩く人がいることについては、原因として歩行者心理を持ち出した。同市道の先にある国道369号を渡ることができる横断歩道は、歩道を撤去した側にしかなく、県が歩道の迂回(うかい)路として誘導している市道反対側の県文化会館広場通路の側にはない。このため、国道を横断するには、通路側からいったん市道を横断しなくてはならない。荒井知事は「少しでも近道をという心理がおありになるのかな」と述べ、「急がば回れというのは時流に即さないのか」と世相に結び付けた。

 今後の対策については、迂回路の県文化会館広場通路側にも国道を渡ることができる横断歩道を設置できないか、警察と協議していることを明らかにした。その上で、「歩きやすい環境をもう少し整備しようと工夫している」とした。

 ことし3月、歩道撤去直後には、県民から県の意見コーナーに対し、「今でもたくさんの人が歩いていて、とても危ないので、歩道を設置してほしい」との切実な声が寄せられている。

荒井知事の会見概要

(「奈良の声」が書き起こした。話し言葉にほぼ従った。会見の動画は、県ホームページの「こちら知事室です」にある記者会見のコーナーで公開されている)

【記者】

 県庁の西側で駐車場横の歩道が撤去されてから、路肩を歩く人がすごく増えていて、最近、新たに注意書きの看板も設置されているが、私自身も駐車場を使うので、出ていくときにやはり歩行者が前を歩いて、非常に怖い思いをしたことがある。県庁の方自身も駐車場を出て歩いていたりするので、安全対策はどのように考えているのか。

【荒井知事】

 あそこは歩道があったときはあまり歩かないで、歩道がなくなると歩くようになったのかな。そういうこともないと思うが。

 歩道がなくなっても歩かれる原因の一つとして、これも身近で目に付くことなので、思うのは、あの向こうの横断歩道がこちら(県庁)から、北から南へ行ったら、交差点の東側にしかない。右側、西側にあれば、例えば帰られるときに近鉄奈良駅に職員は歩いていくと思うが、文化会館の通路を通ると、向こうに行って、もう一回戻って向こうへ渡って右へ、ちょっと戻るのがしゃくだと思う心理があるんじゃないかと。

 右の方に横断歩道があると、流れとして右の方に行けるわけだが、あるいは近鉄奈良駅方向であれば、そのまま北側の歩道を中小企業会館の方へ下りて、渡られてもそう時間的には変わらないが、目の前にある横断歩道はすぐ渡っておきたいみたいな方もおられるし、歩行の心理というか、いろいろあるので。

 今までは歩道っていうのがどうしてあったのかな、というぐらいに人が通ってなくて、目立たなかったが、歩道がなくなると、歩道がない所を歩いている人は本当に目立つこともある。私自身もこんなとこ歩いてもらっちゃ危ないなと思った。

 対策は一つは、向こうへ渡ったあとの西側に横断歩道を付けることを警察と協議している。うまくいくかどうか分からないが、県庁から向こうへ渡ってからでも、横断歩道、興福寺の方に渡ることができますよということを認識されると、ある程度、歩行環境は習慣みたいなとこがあるので。

 こちらでこの横断歩道がなくなったとこを歩かないと、向こうに行けないという歩行環境ではないわけだが、ついつい歩いてしまう。そこに進入されるというのがかつてあったということと、向こうに横断歩道があるじゃないかという認識がおありになるように思う。

 あそこを巡ってさらに、県庁の前に行かれるという人は数は少ないように思われるが、バス停に、バスに乗られる方があの歩道を歩いて、少しでも近道、心理というのがおありになるのかなというふうに思う。少しでも近道、急がば回れというようなのがなかなか時流に即さないような気もするが。

 それと、危ないですよというのと注意喚起と、向こうに渡って歩けるような歩きやすい環境をもう少し整備しようといったような工夫をしてもらっている。

【記者】

 例えばガードマンを置くとか。

【荒井知事】

 しばらくガードマンを置いた方がいいかもしれないが、これも習慣付けなので、どの程度歩いておられるか、もう少し見て、一度歩いて安全だったらここでも歩こうと思われるのはちょっと困るので、やっぱここはリスクがあるので、車が来るのでいかにも危ない、歩けないとこなので。

 なおあの車道は、こちらの登大路ターミナルにバスを入れるいれるときに、ぐるっと回そうという、周りの交通整理の観点から整備したものであるので、県庁の前の方もバスが登大路ターミナルに入ってくる通路ができるので、全体として工夫に工夫を凝らした歩行、大型バスの環境を(検討したい)。

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