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発行者/奈良市・浅野善一

奈良県庁横の歩道撤去―観光施策を優先、歩行者の安全後退

防止柵や誘導看板が設置された奈良市道。撤去された歩道は男性が歩いている所にあった。右は奈良県庁

防止柵や誘導看板が設置された奈良市道。撤去された歩道は男性が歩いている所にあった。右は奈良県庁=2015年7月24日、奈良市登大路町

 ことし3月、県庁横の奈良市道から歩道が消えた。県が車道拡幅のため撤去した。県は県庁隣に観光バスターミナル「登大路ターミナル」を整備する予定で、車道拡幅はターミナルを利用するバスの通行を円滑にするのが目的。県は歩行者を、市道に面する県文化会館広場通路へ迂回(うかい)させることにし、誘導看板をあちこちに立てた。

 しかし、迂回路は動線が不自然で分かりにくい上、不便。歩道がなくなった危険な車道を歩く人が後を絶たないという問題が起きた。

 同市道は、道路を新設、改築するときの技術的基準を定めた国の道路構造令などに照らせば、逆に歩道の設置を求められる道路に相当する。県は、自分の家の家具の配置でも変えるかのように歩道を撤去した。観光バスターミナル整備という進めたい施策のために。歩行者の安全は後退した。行政は、そのときの都合で自在に歩道を付けたり取ったりしてよいのか。

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