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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

御所・五條・田原本共同の新ごみ処理施設、周辺への協力金・環境整備交付金は総額4.5億円 使途など開示請求で判明

ごみ処理施設建設に伴う、周辺地区環境整備事業補助金の交付を受けて設置された太陽光発電装置

ごみ処理施設建設に伴う、周辺地区環境整備事業補助金の交付を受けて設置された太陽光発電装置=2015年11月26日、御所市栗阪

 御所市、五條市、田原本町が共同でごみ処理を行うため設立した「やまと広域環境衛生事務組合」(管理者・東川裕御所市長)が、御所市内にごみ処理施設を建設するに当たって、周辺3自治会に交付した協力金、環境整備事業補助金の額や使途が分かった。「奈良の声」が組合に関係文書を開示請求するなどした。

 交付総額は、施設の操業期間20年を条件に約4億5000万円。大きな金額になるが、協力金の額や補助金の使途を説明する情報は、組合のホームページなどにはない。これを負担した3市町の住民が容易に情報を得られることが理想だ。公開性を高めれば、ごみ問題の共有や適正な交付の確保にもつながる。

 組合は2011年3月、御所、田原本の2市町で設立され、12年8月、五條市が加わった。新しいごみ処理施設は、御所市栗阪の市クリーンセンターを解体した跡地で建設が進められている。組合ホームページで公開されている情報などによると、建設費は約91億円で、ごみ焼却施設の処理能力は24時間当たり120トン。完成予定は17年3月という。

 立地は、最寄りの住宅地から300メートルほど離れた山あいの高台で、ゴルフ場や工業団地が隣接している。人口にして、御所市約2万7000人、五條市約3万2000人、田原本町約3万2000人のごみを受け入れる。

 組合によると、交付された金の原資は3市町が負担した5億5000万円。御所市が9300万円、五條市が2億5000万円、田原本町が2億700万円を負担した。

 開示請求したのは、自治会との協定書や補助金の交付申請書、交付決定通知書など。それによると、5億5000万円のうち、1億円は12年11月、ごみ処理施設を町内に抱えることになる栗阪自治会に協力金として交付された。4億5000万円は周辺地区環境整備基金として積み立てられ、15年4月までに計3億4687万円が環境整備事業補助金として、栗阪のほか、隣接する朝町、小殿の両自治会に交付された。

 協力金は使途の指定がなく、交付は栗阪のみ。組合は「施設を受け入れてもらったことに対する感謝の気持ちであり、補償的要素を持っている」と説明。1億円という額は自治会と交渉を重ねた結果とする。

太陽光発電装置の設置や集会所の建て替えに

 補助金は、同組合周辺地区環境整備事業補助金交付要綱に基づき交付される。交付対象は環境施設整備事業、環境保全団体の育成事業、生活環境の保全・向上に資する事業など。栗阪に約2億1500万円、朝町に約8000万円、小殿に約5100万円が交付された。使途は、自治会の売電収入を目的とした太陽光発電装置の設置や、集会所の建て替え、自治会館敷地の購入、住民の区費無償化、生活道路の拡幅・補修、水路の改修などだった。基金の残高は現在1億円。

 協力金の額や補助金の使途については、組合議会定例会でも質疑があり、定例会の会議録も組合のホームページで公開されている。しかし、全容が分かるだけの情報はない。

 御所市環境政策課によると、以前の市クリーンセンターは09年、栗阪自治会に約束していた操業期間の15年を迎えたが、操業を停止できず、以降4年間、操業が延長された。組合のごみ処理施設への建て替えで、再び、同所での操業が続くことになった。

葛城市でも協力費

 ごみ処理施設建設に伴う、周辺自治会への協力金や補助金の交付の例は珍しくない。隣接の葛城市でも現在、施設を建設中で、17年4月に操業開始の予定という。04年に当麻町と新庄町が合併して誕生した同市では、当麻クリーンセンター(当麻)と新庄クリーンセンター(笛堂)の2施設があったが、新庄の施設を廃止して、当麻の施設を建て替えることにした。

 葛城市に対し、当麻、笛堂の両区との協定書などを開示請求し、市新炉建設準備室に話を聞いた。それによると、市は当麻区に対し、新施設の操業開始から10年間、毎年800万円の協力費を交付するほか、公民館の改築費用の半分を補助する。また、これまでも当麻町の時代から15年度まで、年間500万円が交付されていた。

 一方、新施設が操業を開始するまでの間、全市のごみを処理する新庄クリーンセンターがある笛堂区に対しても、11~15年度に計4000万円の協力費を交付。

 葛城市では、新施設の建設に対し反対運動が起きたことから、新聞報道によって、こうした協力費の交付やその額についても明らかになる機会があった。【続報へ】

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