浅野善一
奈良県)奈良・佐保川の不法投棄防止感知器、桜並木見物の人通るたびに警告音声 市が2016年度に設置
佐保川の川岸の道路に設置された不法投棄防止感知器(左)。桜並木の右が川=2018年4月1日、奈良市八条4丁目
奈良市八条4丁目の佐保川に市が設置した不法投棄防止感知器が、川岸の桜並木の見物に訪れた人が通るたびに警告音声を発し、落ち着いて花見を楽しめない環境にしてしまっている。
市内を南北に流れる佐保川には4.5キロにわたって両岸に桜並木が続き、花の季節には市民らが花見や散歩を楽しむ。
感知器が設置されているのは、左岸の市が管理する道路の脇。同所は桜並木の南端に近く、市の郊外。周囲は田畑で、民家がなく、普段は人通りも少ない。市まち美化推進課によると、冷蔵庫や生ごみが捨てられることがあったといい、地元の要望なども受けて、設置した。桜並木から外れた所にももう一つ、2012年度に設置された感知器がある。
感知器は、金属柱の高さ3メートルほどの所に人を感知すると点灯する照明や警告音声を発する拡声器が付いている。
花見に訪れる人が絶えなかった4月1日も、感知器が反応する付近を人が通るたびに「不法投棄です」と、繰り返し警告音声を発していた。音声は対岸の離れた所まで届いていた。
市は1998年度から市内で同様の感知器の設置を始め、設置箇所は現在24カ所。2017年度に設置したものは、地元の声を受けて、不法投棄がされにくい日中は警告音声が出ないようにしたという。
市「桜の季節は運用考慮したい」
市まち美化推進課の浦川正宏課長は「奈良の声」の取材に対し、「感知器は音量を調整でき、昼夜を識別して作動する機能もある。桜の季節を考慮して運用できるようであればしたい」と話した。【関連記事】