奈良県域水道一体化テーマに研修会 市、町村議会議長会合同で
県域水道一体化をテーマに開かれた市、町村議会議長会の合同研修会=2022年10月3日、奈良市のホテル
奈良県市議会議長会(会長、川田裕香芝市議会議長)と同町村議会議長会(会長、新澤良文高取町議会議長)は3日、奈良市内のホテルで、県域水道一体化をテーマに合同研修会を開いた。県水道局の西野浩行局長と天理市の並河健市長が講師を務め、県内39市町村から議員171人が参加した。
川田会長は開会あいさつで「首長には頑張っていろいろな協議を行っていただいているが、最終の議決機関は議会なので、議員の皆さんに水道広域化についてより理解を深めていただければ」と研修会の狙いを説明した。
西野局長は「県域水道一体化実現に向けて」をテーマに講演。給水人口の減少に伴って配水収益が減少する一方、水道管路の老朽化が全国平均より進んでいる県の現状を紹介、一体化すれば市町村の配水管の更新などで国や県の財政支援を受けられると説明した。
質疑では、大和高田市議会議員が「奈良市が参加しない場合でも企業団のメリットは達成されるのか」と質問。西野局長は「国や県の財政支援はあるので、投資が抑制され、間接的に水道料金の上昇が抑制される」と答えた。
並河市長は「人口減少でも世帯が細分化され給水戸数は減っておらず、インフラは維持しないといけない。広域化により水道のさまざまな施設が県全体で最適化されることは重要」と述べた。一方で論点はまだあるとし、「公平な予算配分をどのような意思決定の仕組みの下で担保するのかはっきりさせる必要がある」と指摘した。
質疑では、大淀町議会議員が発言。同町は水道料金が安く、セグメント会計(別料金)が適用されることになっているが、同議員は「町が30年後も優秀な水道料金を保っていたら」との仮定で、「30年後に水道料金を統一するという縛りをなくしてもらったら素直に参加できる」と注文を付けた。 関連記事へ