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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

県営プール跡地の観光拠点整備 県計画、200億円かけ大会議場・屋根付き大規模広場・料飲物販施設など建設

県営プール跡地観光拠点整備事業の予定図

施設の配置予定図(県議会建設常任委員会での配付資料を基に作成)

 奈良県は、奈良市の県営プールなどの跡地3万1000平方メートルで進めている国際級ホテルを核とした観光拠点整備事業のうち、大会議場・屋根付き大規模広場・料飲物販施設などを建設・運営する費用について、220億8000万円を限度額とする債務負担行為を、開会中の県議会9月定例会に提出している一般会計補正予算案に盛り込んでいる。同費用の内訳について、施設の設計・建設が200億8000万円、維持管理・運営が20億円であることが、県への取材で分かった。

 県地域デザイン推進課によると、計画されているのは、2000人規模の大会議室を中心に屋内多目的広場(400席程度)や複数の中会議室・小会議室を備えたコンベンション施設、広さ1000平方メートル以上の大規模な屋根付き屋外多目的広場、料飲物販の観光振興施設(床面積3400平方メートル程度)、バスターミナル・駐車場など。

 事業手法は、民間の経営能力や技術的能力を活用するPFI方式を採用する。県は、施設の設計・建設から維持管理・運営までを行う企業の共同体を公募、完成した施設を取得した上で、運営を任せる。県は予算案が承認されれば、総合評価一般競争入札方式で共同体を公募、2016年3月、落札者を決定する。

 完成予定は20年3月で、取得費用の支出は工事の進捗(しんちょく)度に応じた年度ごとの出来高払いとする。維持管理・運営費は完成後、35年までの15年間分。事業費に対しては、現時点で国庫補助30億2000万円の充当を見込んでいる。債務負担行為では、後の年度に予想される支出について、限度額や期間を決めて議会の議決を経ておく。

 荒井正吾知事は9月25日の県議会9月定例会の答弁で、県営プール跡地の観光拠点整備事業について「奈良の観光を日帰り型から滞在型に転換する最重要プロジェクト」と述べた。県は、巨費を投じる同事業の経済波及効果を、10年間で約1010億円、20年間で約1820億円と試算している。

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