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地域の身近な問題を掘り下げて取材しています

発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

奈良・大宮通り、県整備の花壇完成 普段の世話、住民グループの協力得られず

大宮通りに完成した花壇

大宮通りの交差点角地の空き地に完成した花壇=2014年10月17日、奈良市三条大路5丁目

 奈良県が大阪方面からの観光客の玄関口となる奈良市の大宮通り(県道奈良・生駒線)で建設を進めていた花壇が完成した。県は花の普段の世話について、すでに通りの花壇の一部の世話をしている地元の住民グループを当てにしていたが、協力を得られなかった。住民グループ側は新規の花壇まで手が回らないとしている。

 花壇は同市三条大路5丁目の交差点の東南角地にあり、広さ約100平方メートル。曲線で区画された意匠になっていて、色とりどりの花の苗が植えられた。通路やベンチ、照明もある。

 同所はこれまで、空き地に広告の骨組みだけが放置された状態になっていたことから、荒井正吾知事が玄関口としてふさわしくないとして整備を指示していた。土地は所有者から借り受けた。

 大宮通りでは、県が2008~10年度、行政と住民が一緒になって「景観まちづくり」を検討するためとしてワークショップを実施。その参加者らで結成されたグループ「ゆめみあーと」(約12人)が県が通りに設置している花壇の一部について、花の苗植えや普段の世話をしている。ワークショップは11年度以降、奈良市が引き継いだ。

 県道路管理課は協力を得られなかった理由について「花の世話を地元にお願いしたが、『体制が整っていない。待ってほしい。1年ぐらい様子を見させてほしい』との返事だった」とした。作業は業者に委託するという。

 「ゆめみあーと」事務局の市景観課によると、完成した花壇から大宮通りを挟んで向かいにグループが世話をしている花壇があり、近くに住む会員が実際の作業をしているが、夏は毎日水やりが必要で、現在はそれで手いっぱいという。

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