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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

生駒北スポーツセンターのグラウンド夜間照明、市の運用開始未定 道一本で宅地、住民光の害訴え

夜間照明の試験点灯が行われたグラウンド。周囲の住宅が浮かび上がった

夜間照明の試験点灯が行われたグラウンド。周囲の住宅が浮かび上がった=2015年6月23日夜、生駒市高山町の生駒北スポーツセンター

 生駒市が企業の福利厚生施設だった体育施設を買い取って、ことし3月に開業した同市高山町のHOS(ホス)生駒北スポーツセンターのグラウンド夜間照明設備の運用開始が見送られている。グラウンドと道一本を隔てて向き合う住宅地の人たちが光の害を訴えているためだ。市は29日、取材に対し、運用開始の時期は未定とし、「地元との最終調整が済んでいないため」とした。

 施設は、住宅地「獅子ケ丘ハイマート」(約150世帯)の奥の一角に立地。このため、住民は開業前から住環境への影響を心配してきた。施設の利用者は、社員などに限られていたときと違って大幅増が見込まれ、それに伴い交通量も増えることが予想されたためだ。利用時間の拡大や夜間照明設備の設置にも懸念を示していた。獅子ケ丘自治会は市に対し、2014年10月、自治会が同意できるまで整備工事を実施しないよう求める署名を提出していた。

 施設の管理運営は民間に委託している。グラウンドは広さ2万3612平方メートル。サッカーやラグビー、少年野球などに使える。利用時間は午前9時から午後9時までの設定で、夜間照明設備が設置された。照明装置はグラウンドの東と西に2塔ずつ計4塔あり、高さは14メートル。各塔にLED照明が8灯ずつ付いている。

 今月23日夜、試験点灯が住民や市議会議員の立ち会いの下で行われた。照明装置が点灯されると、グラウンドに面した家々が暗闇の中に浮かび上がった。住民らは住宅地内を巡り、照明の光が及ぼす影響を確かめた。

 照明を直接、見ればまぶしく、住民の女性は家を出入りするたびに、見ることになったら目に悪くないのか、と不安を口にしていた。別の女性は、自分たちは市のスポーツセンターが開業する前からここに住んでいる、後から移ってきたのではない、と強い口調で抗議していた。議員の一人は、木を植えて光を遮る必要があるのではと感想を述べていた。

 一方、市スポーツ振興課によると、この日、住宅地内の照度を測定したところ2ルクス以下だったという。街灯には2ルクス以上のものがあるという。グラウンドの地面における明るさは平均100ルクス。これはレクリエーション用の明るさといい、競技用の施設だとさらに強い光の照明設備を使用しているとした。

 試験点灯が7月初めにもう一度行われる。その後に住民の要望を聞くという。照明装置はつけるか消すかの選択しかできず、明るさの調整はできないという。同課は、グラウンドの明るさを保った上で、照射の角度を変えられるのであれば調整したいとしている。【続報へ】

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