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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

三宅町広報誌の町長コラム、先走り 開催前の女性消防団結団式、行われたものとして記述

三宅町広報誌9月号の町長コラム「みどりの風に乗って」。下段の真ん中よりやや右側に「三宅町女性消防団の結団式を行いました」とある

三宅町広報誌9月号の町長コラム「みどりの風に乗って」。下段の真ん中よりやや右側に「三宅町女性消防団の結団式を行いました」とある。

 奈良県三宅町で配布された町広報誌9月号の町長コラムに、あす8月30日開催予定の町女性消防団結団式が、すでに行われたものとして記述されていることが29日分かった。8月中の行事を9月号に盛り込むため、見込みで記述した格好だ。

 町広報誌「みやけ」(A4判)は月1回、毎月1日付の発行。最終面に志野孝光町長のコラム「みどりの風に乗って」を掲載している。町によると、毎回、当該月の前月末に全戸配布される。一方、結団式は30日午前10時から、同町伴堂の町中央公民館で開かれる。

 9月号のコラムは、戦後70年について触れた後、志野町長が8月中に出席した幼稚園の行事や小学生の夏休み行事の感想を述べ、最後に町女性消防団の結団式について記述。「三宅町女性消防団の結団式を行いました。(中略)当日は県消防協会会長をはじめ、県広域消防組合消防長、天理警察署署長、県議会議員、町議会議員等たくさんのご来賓ご参加のもと、盛大に結団式を行うことが出来ました」などと終了したこととして書いている。

 町女性消防団については、災害発生時に女性の視点から細かな支援、活動を行おうというもので、団員は15人。旧山辺広域行政事務組合(消防など)の天理市、山添村、磯城郡川西、三宅、田原本3町では、初の結成としている。

 「奈良の声」は8月29日に9月号を入手した。見込みで書けば、何かの事情で結団式を開けなくなった場合、記述は誤りになる。同日、町総務課に見解を求めたが、「閉庁日のため、担当者がおらず回答できない」とした。

町「発行日を前提に書いている」

(8月31日追加取材)

 町総務課は31日、取材に対し、「9月1日の発行日を前提に書いている。万が一、結団式が行われなかったときは翌月号でおわび、訂正することになる」とした。

 同課によると、広報誌の原稿の締め切りは前月の15日前後。9月号が町内各地区の自治会長に届けられたのは8月28日午前という。配布の時点で、開催前の行事が行われたものとして記述されていれば、記述は事実ではないが、同課は「自治会長が配達する期間を考慮すれば、多くの住民の手元に実際に届くのは、結団式終了後の9月1日ごろになる」とした。

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