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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

奈良少年刑務所れんが建築の保存と活用、法務省が調査 結果、来月公表へ

法務省がれんが建築の保存と活用について調査した奈良少年刑務所。写真は表門と塀=2016年5月26日、奈良市般若寺町

法務省がれんが建築の保存と活用について調査した奈良少年刑務所。写真は表門と塀=2016年5月26日、奈良市般若寺町

 奈良市般若寺町の明治のれんが建築、奈良少年刑務所建物について、法務省が保存と活用に関する調査を実施していたことが26日、同省への取材で分かった。結果は来月にも公表される見通し。地元では、自治会や保存を求める市民団体が、建物の重要文化財指定などを目指す運動を展開している。

 法務省はことし1月、「奈良少年刑務所赤れんが建造物の保存および活用」などに関する調査業務を、一般競争入札で東京のコンサルト会社に委託した。同省矯正局は取材に対し、「保存と活用でどのような選択肢を取り得るか調べた。来月早々にも結果を法務省のホームページで公表する予定」とした。同建物のこうした調査は初めてという。

 同刑務所をめぐっては、建物の老朽化などから、刑務所が2014年2~3月に、施設の移転候補地の調査結果をまとめていたことが、「奈良の声」が法務省矯正局大阪矯正管区に対し行った行政文書開示請求で分かっている。候補地の所在地など具体的内容は不開示だったが、候補地が3カ所あるとみられることは分かった。

 一方、今月18日には、般若寺町自治会(小井修一会長)と同自治会を含む34自治会から成る鼓阪地区自治連合会(横田利孝会長)の各会長らが刑務所を訪れ、建物の保存を求める要望書を宮地重光所長に手渡している。

 また、2014年10月には、「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」が地元の自治会代表者や市在住の作家、まちづくり団体関係者、建築の専門家らが呼び掛け人になり発足、勉強会などを開催している。

 般若寺町自治会の小井会長は調査について、「建物については、受刑者の安全を考えれば耐震対策が必要と刑務所に言ってきた。『保存と活用』が名目であれば、法務省なりに建物を残す意識が前に出ている」と歓迎した。

 また、「思う会」の呼び掛け人の一人、市内在住の作家寮美千子さんは「前向きに検討してもらえるのであれば大歓迎。地元が保存の要望書を出したりして、地元に愛されている珍しい刑務所建物であることがとても大きいので、そういうところも考慮に入れて考えてもらえれば」と話した。

 奈良少年刑務所建物は1908(明治41)年、奈良監獄として建てられた。明治時代、国が監獄施設の近代化を目指して建てた全国の「五大監獄」の一つ。現存しているのは同監獄だけという。日本の近代化遺産として貴重とされる。【続報へ】

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