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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

缶・瓶リサイクル作業委託業者の施設、適法か随時確認 大和郡山市が無許可再発防止で検討

 奈良県大和郡山市は24日までに、家庭ごみの缶・瓶のリサイクル作業を委託している業者の処理施設が2016年まで無許可だった問題について、「奈良の声」の取材に対し、「設置許可取得の確認ができていなかった」と市の責任も認めた上で、再発防止への対応として施設が適法か随時確認が必要との考えを明らかにした。

 この問題は2018年6月19日の市議会産業厚生委員会でも取り上げられた。

 市は、市内の家庭ごみの収集業務のうち、不燃ごみ、粗大ごみの収集と、一部地域の可燃ごみの収集、収集した不燃ごみのうちの缶・瓶のリサイクル作業を、随意契約で大和郡山市環境事業協同組合(同市大江町、野村安忠理事長)に委託している。契約は1年ごとで、同組合への委託は1981年度から続いている。

 無許可だったのは同組合の缶の圧縮施設。廃棄物処理法に基づく県の一般廃棄物処理施設設置許可を受けていなかった。市清掃センターによると、2016年8月、市街化調整区域にある同組合の施設建築物が建築基準法の建築確認を受けていないとの指摘が外部からあり、これを受けて調べたところ、圧縮施設の設置許可も受けていなかったことが判明した。

 「奈良の声」が市に開示請求して得た関係文書などによると、市は問題を受けて同年9月、組合に対し、違法建築物を撤去し、建築確認申請を行うとともに、圧縮施設の使用を中止し、施設の設置許可申請を行うよう是正指導を行った。組合はこれに従った。施設の敷地が都市計画法に基づく一般廃棄物処理施設の都市計画決定がされていないことから、施設の設置許可申請は市都市計画審議会の議決を経て、認められた。

 敷地はいったん更地にされ、2018年6月、建て替えられた新しい施設で作業が再開された。市は、是正指導後も引き続き同組合に業務を委託した。市清掃センターはこの点についての記者の問いに、「組合は是正指導を真摯(しんし)に受け止め、直ちに是正に着手した。市民生活に不可欠なごみ処理業務であり、即座に他の業者へ移行することは難しく、市民生活に支障を来す」と答えた。

 同センターによると、組合が圧縮施設を導入したのは年号が平成に変わった(1989年)ころ。一方、1992年、廃棄物処理法の改正で家庭ごみなどを扱う一般廃棄物処理施設の設置が許可制に変わった。規制が強化された。それまでは届け出制だったが、組合は届け出もしていなかった。組合は、許可申請や届け出について必要との認識がなかった、と釈明したという。

 無許可状態は30年近くにわたり、市はこれに気付かないまま委託を続けた。西澤康弘・市清掃センター長は「市も一般廃棄物処理施設の設置許可取得の確認ができていなかったことから、責任の一端はあると認識している。当時としては確認していく必要があった。今後については、具体的な方法は検討中だが、許可関係の随時確認が必要と考えている」と話している。

 廃棄物処理法は市町村の責務について、一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めなければならない、と定めている。また、許可を受けずに一般廃棄物処理施設を設置した場合、懲役や罰金の罰則規定もある。

 同組合は取材に対し、「当初、関係法に規定された手続きについては、当組合の認識不足により適正に行われておりませんでしたが、現在は是正しております」と文書で回答した。 関連記事へ

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