審議会委員の重複就任262人 奈良県、最高は7機関 公募委員は7人
奈良県立大渕池公園の計画区域変更案を審議した県都市計画審議会=2022年11月22日、奈良市の県コンベンションセンター
奈良県が外部の専門家らの意見を聞くため設置している審議会や審査会など193機関(2023年3月現在)の委員延べ1530人(同)のうち、二つ以上の機関に重複して就任している委員は262人であることが県への取材で分かった。このうち県内部で決めている制限を超える5つ以上の重複は17人だった。一方、一般県民からの公募による委員は7人だった。
これらの審議会などは、地方自治法や県条例に基づき県の付属機関として設置されている。都市計画審議会や情報公開審査会などがある。
県行政・人材マネジメント課によると、重複就任の最高は7機関だった。内訳では2機関が148人、3機関が58人、4機関が39人、5機関が10人、6機関が6人、7機関が1人だった。
重複就任する 審議会の数 |
委員数(人) |
---|---|
2 | 148 |
3 | 58 |
4 | 39 |
5 | 10 |
6 | 6 |
7 | 1 |
計 | 262 |
審議会の数 | 193機関 |
委員数 | 延べ1530人 |
うち公募委員 | 7人 |
2018年4月施行の「付属機関等の設置および開催・運営に関する要綱」は「同一人を重複して委員に選任しようとする場合は原則として4機関までとする」と定めている。一方で「専門的知識を有する者が他にいない場合はこの限りでない」として、所管課に選任理由の提示を求めた上で5機関以上の例外も認めている。
同課は重複就任を制限する理由について「県の施策に反映するに当たって意見の偏りを避けるため」とし、4機関までとしたことについては「他府県の例を調査して妥当な数字と判断した」と説明する。
公募委員がいる審議会などには男女共同参画審議会などがある。委員の公募は「審議会等委員公募マニュアル」に沿って行われている。マニュアルは、県民参加型の開かれた県政運営を推進していくことを目的に2011年に施行された。同課は「それぞれの審議会の性質もあるので、公募がふさわしいのであればマニュアルを積極的に使ってほしい」とする。
一方、公募委員が7人という現状については「高度に専門的知識が求められる審議会もあり、一般県民からの公募が難しい場合もある。公募するかどうかは各所管課の判断になる」と述べた。
2023年4月1日現在の審議会は196機関。同課によると、委員の就任実態については年度変わりに確認しているという。本年度については調査中という。