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第4回「奈良の声」読者会の報告

ジャーナリスト浅野詠子

記者余話)刑事裁判判決文の閲覧申請で指印押す羽目に

奈良地検=2026年6月9日、奈良市登大路町、浅野詠子撮影

奈良地検=2026年6月9日、奈良市登大路町、浅野詠子撮影

 刑事裁判は公開で行われるが、地検での裁判記録の閲覧申請の手続きで、仕方なく指印に応じることになってしまった。閲覧当日に必要なものとして、身分証明書と収入印紙を持参するよう事前に係官から説明があったが、印鑑が必要という説明はなかった。

 県内の農地を舞台に行われた不正な転用手続きを巡って県警が2019年に摘発した事件の奈良地裁判決文を今年3月、奈良地検で閲覧した。刑事確定訴訟記録法に基づく閲覧であり、起訴した地検で誰でも閲覧できる。

 閲覧当日、申請用紙に記入する際、押印が必要であることを知った。持参していなかったことから、係官から左手の人差し指に黒印肉を付け、申請用紙に指印を押すよう促された。

 取り調べを受けているようで、いい気持ちはしなかったが、時間がなかったので応じた。こちらは身分証明書として車の運転免許証も提示しているのだし、署名では許可されないのか。

 後日、地検に対し、指印を押印の代わりとする根拠について電話で尋ねた。日を置いて回答があった。地検は「刑事訴訟規則61条1項を準用した」と説明した。同規則は最高裁が定めた刑事裁判ための規則で、同項は「官吏その他の公務員以外の者が署名押印すべき場合に、署名することができないときは他人に代書させ、押印することができないときは指印しなければならない」と定めている。

 刑事確定訴訟記録法施行規則には閲覧請求書の様式が示されていて押印欄があるが、記者は認識がなかった。法務省は取材に対し、押印は請求の意思を確認する趣旨であるとし、「閲覧を請求した人が押印できない場合の対応は、全国の検察庁で統一されているわけではない」と述べた。

 その上で奈良地検が取った対応について「(請求者が)押印できない状況であったものの、印鑑を取りに帰るなどの煩雑を避け、(請求者の)便宜を考慮して指印により対応することは問題ないものと判断したと思われる」と説明した。

 指紋は個人情報に当たる。予期せず採取された人は、何に使われるのだろうと無用な不安を抱くかもしれない。そもそも押印自体が古い慣行ではないかとも思う。

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