奈良の写真家・入江泰吉さん旧居、公開1周年で入館料無料 3月6日まで
公開1周年を迎えた入江泰吉旧居=2016年3月1日、奈良市水門町
奈良大和路の風景を有名にした奈良市の写真家・入江泰吉さん(1905~92年)の旧居(同市水門町、市施設)の公開1周年を記念して、旧居を管理している市総合財団は3月1日から6日まで入館料を無料にしている。旧居では、入江さんの仕事ぶりや暮らしをしのぶことができ、この1年間に1万2000人余りが訪れた。(終了しました)
旧居では、入江さんが戦後から亡くなるまで暮らし、作品の構想を練ったり、暗室で現像を行うなどした。文化人が集まるサロンでもあったといい、一時期、同市高畑町に居を構えた作家の志賀直哉や、大和路に題材を求めた画家の杉本健吉らと交流した。
1万2655人訪れる
市は、入江さんの没後、夫人から自宅の寄贈を受け、2015年3月1日公開した。通常の入館料は200円、高校生以下は無料などとなっている。入館者数は16年2月28日までで1万2655人となった。
旧居は、東大寺戒壇堂に向かう、落ち着いた通りの一角にある。約500平方メートルの広い敷地に木造平屋建ての建物が立つ。母屋は他の場所から移された日本建築で、大正時代のものとみられている。入江さんの書斎や暗室、アトリエ、万葉の植物を育てた庭などを見学できる。
無料期間中は、「映像で観(み)る入江泰吉旧居の1年」の上映(常時)や抹茶のもてなし(1、5、6日のみ、いずれも先着約50人)、1958年の写真集「大和路」と68年の「お水取り―入江泰吉作品集」の自由閲覧がある。
開館時間は午前9時30分~午後5時。休館日は月曜(月曜が休日の場合は開館し、翌日休館)。問い合わせは同旧居、電話0742(27)1689。
同市高畑町の市写真美術館では、寄贈を受けた入江さんの全作品約8万点を収蔵、公開している。