野鳥たちの精いっぱい生きる瞬間捉え 与名正三さん写真展 生駒の美楽来、4月3日まで
来場者に写真の説明をする与名正三さん(左)=2016年3月29日、生駒市西松ケ丘の市芸術会館「美楽来」
「奈良の声」の連載「やまと鳥事情」筆者で、生駒市在住の野鳥写真家与名正三さん(64)の写真展「野鳥たちに感動!」が29日、同市西松ケ丘の市芸術会館「美楽来(みらく)」で始まった。精いっぱい生きる鳥たちの、さまざまな営みの瞬間を捉えた写真が、たくさん展示されている。入場無料。4月3日まで。(終了しました)
与名さんの同市での写真展は一昨年に続いて2度目で、A3判大のカラー写真54点を展示している。野鳥の数は約40種類。この2年間に奈良県や鹿児島県など、主に西日本のおよそ10府県で撮影した。鳥たちの生態や生きざまを追ったといい、縄張り争いや採餌、求愛などの様子を捉えている。
縄張り争いで相手を地面にたたき付けるシロチドリ、くちばしからくちばしへ雌に魚の贈り物をする雄のコアジサシ、水草を分け合って食べるバンの親子などがある。与名さんが長い時間を掛けて鳥たちを観察しながら、それぞれの一瞬をカメラに収めた。
オオタカなど、与名さんが勢力的に撮影を続けている猛禽(もうきん)類の写真も、多く展示されている。珍しい写真は、島根県で撮影したソデグロヅル。通常はヨーロッパに生息しており、迷鳥とみられるという。
会場を訪れた奈良市の男性(70)は「辛抱強さでその瞬間に巡り合うことができるのだろう。裏側の努力があると思う」と感心をしていた。
与名さんは「鳥は人間のように表現することができないから、精いっぱい生きることで命の大切さを訴えている。そのことを伝えたい」と話している。
開場時間は午前9時~午後5時(最終日は同4時)。美楽来は電話0743(74)1101。