宇陀の古民家再生の過程追った新聞連載のパネル展 6月5日まで県立図書情報館で
宇陀の古民家再生の過程追った新聞連載のパネル展。右は連載執筆者の北井勲さん=2016年5月20日、奈良市大安寺西1丁目の県立図書情報館
奈良県宇陀市室生深野の山里の古民家が別荘宿「ささゆり庵」(松林哲司さん経営)として再生される過程を追った新聞連載のパネル展「フォーラム2016『自然×人=美』~室生深野から見る奈良の姿」(同展実行委員会主催)が、奈良市大安寺西1丁目の県立図書情報館で開かれている。入場無料。6月5日まで。(終了しました)
ささゆり庵は築150年になる古民家を1年掛けて再生した。トタンぶきになっていた屋根をかやぶきに戻し、必要な部材も、取り壊しになる別の古民家から調達するなどした。2014年9月に開業、かやぶき屋根の別荘宿として1日1組限定で一棟貸ししている。
連載を執筆したのは、奈良市在住のデザイナー北井勲さん(72)。連載は2014年7月から15年6月まで1年間、奈良新聞に展示と同名のタイトルで24回掲載された。ささゆり庵を取り巻く歴史や文化、風土、自然などとの関わりも織り交ぜ、古民家再生を通して地域の在り方を探った。
会場には、連載記事を拡大したパネルのほか、かやぶき屋根が再生される様子を追った写真20点、その際に使われたカヤやすす竹などの材料、カヤを切りそろえるはさみや、ふいたカヤをたたいて整える「ガンギ」と呼ばれる道具なども展示されている。
北井さんは展示について「ささゆり庵が室生深野にある意味を、地域の歴史や文化も含めて考えてもらえれば」と話している。
5月21日にクロストーク
5月21日午後2時から、同図書館で北井さんを進行役にクロストーク(討論会)がある。出演者は、中西康博・県まちづくり推進局理事、ささゆり庵の松林さん、古民家の再生に携わった大工棟梁(とうりょう)玉村勝也さん、かやぶき職人西尾晴夫さんら。参加無料。
問い合わせは同図書館、電話0742(34)2111。