奈良県立美術館で特別展「奈良のモダン~美術をめぐる人々」 1月17日開幕

「奈良のモダン」の展示作品。左から不二木阿古、若山為三、浜田葆光の作品=2026年1月16日、奈良市登大路町の県立美術館、浅野詠子撮影
奈良市登大路町の県立美術館で1月17日、特別展「奈良のモダン~美術をめぐる人々」が始まる。同市高畑町の志賀直哉邸で昭和初年に花開いた文士と美術家が交流した「高畑サロン」ゆかりの画家たちの作品が一堂に展示される。開幕に先立って16日、展示が報道陣に公開された。
在野の洋画団体の展覧会で活躍した浜田葆光、若山為三をはじめ、日本画家、不二木阿古の作品もお目見え。どんなに小さな仕事でも常に全力を傾倒する不二木の創作態度に対し、志賀が心打たれ記した一文「不二木阿古画会推薦」が残っている。不二木の「鷺娘」(大正末か昭和初年ごろ)は、新興美術の未来派風形態感覚を取り入れたリズミカルな作品とされる。
また、志賀の小説「淋しき生涯」の主人公、小見寺八山の大作「初夏」(1934年)が登場。小説によると、友人の小見寺は前衛的な構成派の作品を練り上げるために相当な苦心をしていた。
「高畑サロン」常連だった浜田の旧居(大正時代)に現在住む孫夫婦が保管する富本憲吉の染付壷(昭和初年)や浜田の友人、熊谷守一の水墨画「龍虎」も展示されている。
同展では、現在の奈良市今小路町に幕末に開業した旅館「對山楼」(たいざんろう)に滞在した美術関係者たちの掘り起こしにも力を入れた。
宿帳に名がある横山大観が、浄瑠璃寺の秘仏、吉祥天像を1895年に模写した作は、写真が発達していない時代の記録としての模写の意義もあるという。松川綾子学芸員は作品を前に「後ろ姿も側面の姿も大観は克明にとらえている」と解説した。
3月15日まで。前期(2月15日まで)、後期で作品の一部入れ替えがあり、展示総数は180件。入場料は一般1200円、大学生1000円、小中学・高校生などは無料。休館日は月曜日と2月24日。2月23日、3月2日、同9日は開館する。問い合わせは同美術館、電話0742-23-3968。
筆者情報
- ジャーナリスト浅野詠子
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