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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

やまと広域事務組合ごみ焼却場建設、地元御所市周辺自治会への補助金問題 未完了事業に期限、交付要綱見直しへ

栗阪の集会所屋根に設置された太陽光発電装置。栗阪自治会には太陽光発電装置設置で2億円が交付されたが、事業完了には至っていない=2016年5月12日、御所市栗阪

栗阪の集会所屋根に設置された太陽光発電装置。栗阪自治会には太陽光発電装置設置で2億円が交付されたが、事業完了には至っていない=2016年5月12日、御所市栗阪

 奈良県御所市、五條市、田原本町でつくる「やまと広域環境衛生事務組合」(管理者・東川裕御所市長)が、御所市内に3市町共同のごみ焼却場を建設するに当たり、地元対策で設けた周辺地区環境整備事業補助金の交付を受けて、3自治会が計画した事業のうち、一部が当初の実施予定年度を越えて未完了となっている問題で、東川管理者は11日、補助金交付要綱を見直す考えを明らかにした。

いったん返還求める可能性も

 交付金に期限を設け、期限までに事業を実施できなければ、交付金の返還を求められるようにする。また、未完了事業の交付済みの補助金について、いったん返還を求める可能性があることも示唆した。

 東川管理者は同日、御所市役所で「奈良の声」の取材に応じた。

 「奈良の声」は昨年5月20日付で、御所市栗阪、朝町、小殿の3自治会が同補助金制度に基づき計画した事業計23件(交付総額3億4687万円)のうち、栗阪の太陽光発電装置の設置(交付額2億円、2013年4月交付)▽朝町の公民館敷地の取得など(同1920万円、13年6月交付)▽朝町の公民館用駐車場の用地購入・整備工事(同2050万円、15年5月交付)▽小殿の公民館新築(同4000万円、13年6月交付)の4事業が未完了と報じた。各自治会が交付申請時に提出した収支予算書では、補助金が交付された年度に予算(補助金)を執行する記載になっていた。

 いずれも交付の名目が概算払いとなっており、組合の会計事務について定めた組合財務規則に照らせば、額を確定して精算する必要がある。しかし、組合は自治会に対し、事業の完了時期の提示を求めていなかった。同記事では、必要な会計事務の手続きがいつになるか分からないまま放置すれば、組合会計事務の規律を乱す恐れがある上、将来、補助金が当初の交付申請通りに使われるかどうかの懸念も生じる、と指摘した。

 問題をめぐっては、「奈良の声」の記事を受けて、産経新聞が昨年10月25日付朝刊で取り上げるなどした。取材に対し、東川管理者は、新聞に出て問題化した、と述べた。昨年11月1日の組合議会全員協議会で議員が取り上げ、この際、交付要綱の見直しを表明したという。

 東川管理者によると、問題を受け、未完了の事業について、交付された補助金が各自治会で確実に保管されているかどうか、自身の目で預金を確認したという。

 組合が当初、事業の完了期限にこだわらなかった点については、ごみ焼却場が操業を続けることによる環境汚染の目安は20年とされているとして、「周辺の環境整備も20年間でどうするかという議論があった。20年期限のイメージがあった」と説明した。

 交付要綱の見直し作業は、弁護士に相談するなどして進めており、未完了事業の交付済みの補助金について「組合が保管する方が良いかもしれない」と述べ、いったん返還を求める可能性があることも示唆した。

 栗阪の太陽光発電装置の設置は、これまでに集会所屋根と借地への設置で2566万円分の事業が具体化。組合事務局によると、昨年5月の取材以降、本年度に計画していた7000万~8000万円分の事業が着手に至ったという。【続報へ】

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