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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

平群町役場の屋外喫煙所、再度撤去の方向 職員に禁煙外来利用の声掛けも

平群町が役場敷地内に設置している特定屋外喫煙所=2022年2月16日、同町吉新1丁目

平群町が役場敷地内に設置している特定屋外喫煙所=2022年2月16日、同町吉新1丁目

 奈良県平群町が役場敷地内の屋外喫煙所を再度撤去しようとしている。同町は2016年7月、県内市町村庁舎2例目の敷地内禁煙に踏み切ったが、健康増進法の一部改正で2019年7月から、病院や学校、行政機関などが原則敷地内禁煙となる一方、特定屋外喫煙場所の設置も可能とされたことから、職員の屋外喫煙所をあらためて設置していた。同時に職員に禁煙外来の利用を呼び掛けるなど、喫煙者を減らす取り組みも実施してきた。

 町総務防災課の担当者は、敷地内禁煙から屋外での分煙に後退した理由について、担当者が当時と変わっているためはっきりとしたことは分からないとしながら、「敷地外で喫煙する職員への苦情があったのではないか」と話す。ただ、「喫煙所をずっと残す考えはなく、職員の健康も考え、早めに撤去したいとの思いはあった」とする。

 現在、喫煙する職員は367人中、数人。喫煙所を設置した当時に比べ減っているという。自ら喫煙をやめた人がいるほか、県市町村職員共済組合が禁煙外来を受診して禁煙に成功した人を対象として本年度から実施している助成制度の利用も呼び掛けていて、これで禁煙に成功した職員もいるという。

 屋外喫煙所は、役場を訪れた住民が立ち寄ることのない、敷地内の人目に付きにくい場所に設置されている。現在、撤去の方向で労使で協議中で、合意でき次第、撤去の予定という。

 県疾病対策課の県内市町村庁舎の禁煙実施状況調査によると、2020年4月1日現在で全39市町村のうち16市町村が本庁舎、議会棟共に敷地内禁煙を実施している。一方で現在は敷地内禁煙を実施している香芝市で昨年12月、議会が市施設への屋外分煙施設設置を市に求める決議を可決。逆の動きが起きている。 関連記事へ

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