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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

スマホ手に城下町の歴史的建造物巡る 大和郡山、県建築士会支部の町家調査アプリ使い

スマートフォンを手に城下町の町並みを歩く催しの参加者=2022年3月6日、奈良県大和郡山市

スマートフォンを手に城下町の町並みを歩く催しの参加者=2022年3月6日、奈良県大和郡山市

 城下町の歴史的な町並みが残る奈良県大和郡山市で6日、県建築士会郡山支部(折目貴司支部長)が作成した町歩きのスマートフォンアプリを体験する催しが、同支部の主催で開かれた。

 大和郡山は中世末期、豊臣秀長が基礎を作り、江戸時代には大和一国の政治経済、文化の中心として栄えた。郡山城の城下町の核となった「箱本十三町」と呼ばれる区域には、業種別などに十三の町があった。同支部は箱本十三町を中心に約6年を掛けて歴史的建造物を調査、2016年、結果を冊子にまとめた。

町家に掲示された表示板のQRコードにスマートフォンを向ける町歩きの参加者=2022年3月6日、奈良県大和郡山市(画像の一部を修正しています)

町家に掲示された表示板のQRコードにスマートフォンを向ける町歩きの参加者=2022年3月6日、奈良県大和郡山市(画像の一部を修正しています)

 町歩きのスマートフォンアプリ「郡山タウンスケープ」は同支部が市のアイデアサポート事業として取り組んでいるもので、同調査の内容をホームページに掲載し、地図上の対象建物の位置をクリックすると、建物の歴史や写真、間取りを閲覧できる。

 また、現地の建物には「大和郡山城下町として大切にしたい歴史的建造物」という表示板を掲示し、そこに印刷されたQRコードをスマートフォンで読み込むと、同様に建物の情報を閲覧できる。現在、試行版を公開している。

 催しは、失われていく歴史的建造物の利活用の方法を考え、美しい町並みを未来に引き継いでいくためのきっかけにしようと開かれたもので、昨年に続き2度目。市内などから17人が参加した。表示板は、肥料屋だった江戸時代の町家「南家住宅」など現在9つの建物に掲示されており、これらの建物を中心に城下町を歩いた。

 参加者はスマートフォンを表示板のQRコードにかざしては建物の歴史などを確かめた。参加者の女性は「建物の詳細を知ることができて良い」と話していた。

 今回は、町歩きの参加者を対象に茶会も行われた。会場は、2階建ての町家の長屋を改修、一新して設けられた店舗「町家未来基地」にある茶室。長屋にもともとあった茶室を同支部員らが障子紙を張り替えるなどしてきれいにした。参加者は茶道家のお点前で茶と菓子を味わった。 関連記事へ

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