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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

「次元低いこと言うな」引用発言 記者録音で確認できず 応接室使用巡る議員非難の決議 奈良県香芝市議会

青木議員を非難する内容の「香芝市議会議員の庁舎管理規則を順守する決議」

青木議員を非難する内容の「香芝市議会議員の庁舎管理規則を順守する決議」

 奈良県香芝市議会で昨年12月、青木恒子議員(共産)の議会応接室の使用を巡って、「無断使用だ」と非難する内容の決議があった問題。決議には、応接室使用当日の青木議員の議会事務局長に対する発言とされるものが複数引用されている。それらの中には攻撃的または身勝手などの印象を与える発言があるが、その場にいた記者(記事筆者)のICレコーダーの録音では存在を確認できなかった。

 発言していないことまで非難の対象にされていないか。青木議員は「事実と異なる点がある」と訴えたが、決議は賛成多数で可決された。

 青木議員に対しては、国民健康保険料や生活保護の窓口への同行を巡る川田裕議長の発言に反論したことを発端として、陳謝の懲罰と陳謝を拒否したことへの再度の陳謝の懲罰ということが繰り返されてきた。

 12月定例会初日の5日の本会議で、6回目の懲罰動議を受けて、青木議員に対する出席停止4日間の懲罰が賛成多数で可決された。青木議員は本会議終了後、議会応接室で議会を傍聴していた市民ら十数人を前に報告を始めた。これが、市庁舎管理規則が禁じた「政治的問題に関する演説行為」とみなされ、議会事務局長に中止を命じられた。

 この際の青木議員の発言は、出席停止により定例会での一般質問ができなくなったことを説明する内容で、「私は一般質問で、生活保護や就学援助、補聴器の助成、放課後児童教室の問題を追及しようと準備をしていた」などというものだった。しかし、市民に向かって発言することが「演説行為」に当たるとされた。

 青木議員の応接室使用を問題視した議員7人(定数16人)は定例会最終日の22日、「香芝市議会議員の庁舎管理規則を順守する決議」を提案した。 決議の全文 決議案は青木議員の応接室使用について「庁舎の会議室(応接室)を許可なく無断で使用するなど、あり得ない行為であり、庁舎管理者、議会事務局の事務執行を妨害した行為と言わざるを得ない」と非難し、当日の顛末(てんまつ)を次のように記した。

 庁舎管理者は、直ちに青木恒子議員に対し、複数回にわたり無断使用禁止及び政治活動等の禁止を求めたが、青木恒子議員は、「市民の代表なので市民に伝えているだけだ」及び「記者会見しているだけだ」と反発し、庁舎管理者から、使用を中止しないなら退去命令を発出する旨も通告されていた。しかし、青木恒子議員は、「取材に答えている」、「取材もダメなのか」、「私は取材を受けているだけだ」、「次元の低いことを言うな」、「私は市民の代表だ」と強く反発し、庁舎管理者の指示に従うことはなかった。

 更に、庁舎管理者から、「庁舎なので、会議室も廊下も目的外に無断に使用することはダメだ」と告げられるも、青木恒子議員は、「誰でもここを使用しても良い」と強く反発することから、庁舎管理者は青木恒子議員に対し退去命令を出すに至ったのである。

 記者が録音を再生したのは決議の数日後。 録音の文字起こしの全文 録音と決議を比較すると、決議に引用された青木議員の発言は趣旨を捉えての再現になっているが、このうち「次元の低いことを言うな」「私は市民の代表だ」「誰でもここを使用しても良い」など攻撃的または身勝手などの印象を与えるようなものについては、そうした趣旨の発言を確認できなかった。

 このほか、決議には「庁舎を『市民だから自由に使ってよいのだ』の旨の反論は失当しており…」との記述もあるが、そうした趣旨の発言も確認できなかった。

 青木議員は22日の決議案の質疑で、提出者の下村佳史議員(副議長、自民)に対し「『次元の低いことを言うな』とか『私は市民の代表だ』とか言っていない。その場にいたのか。私は(姿を)目にしていない。どこで聞いたのか」とただした。下村議員は「議長室で聞いた」と答えた。

 議長室は廊下を挟んで応接室の向かいにある。記者は青木議員の横でICレコーダーを手に報告を聞いていた。当時、応接室の扉は開いていた。

 「奈良の声」は議会事務局長に対し、録音が青木議員と議会事務局長のやりとりであるかどうか確認のため聴いてほしいと求めたが「決議された内容に関わることであり、事務局職員が立ち入る内容ではないと考えるので致しかねる」とした。

 下村議員に対しても録音の確認を求めたが「無理」とし、青木議員の発言については「確かにおっしゃった」とした。発言内容が事実と異なっていた場合、改める必要があるのではないかとの質問に対しては「あれで事実ということで決議した。決議は応接室の使用許可が出ていなかったことを問題にしている」と述べた。

 青木議員にも録音を聴いてもらった。青木議員は「決議は事実に反すると本会議の審議で訴えているのだから、議長が事実かどうか確認する時間を取って進めるのが本来。数の横暴で決議するのは議会の軽視」と述べた。

 以下は決議の全文と文字起こしの全文。

香芝市議会議員の香芝市庁舎管理規則を遵守する決議

 令和4年12月5日、月曜日、12月議会第5回定例会本会議終了後に、中井政友議員及び青木恒子議員は、庁舎5階の会議室(応接室)を庁舎管理者(香芝市庁舎5階議会フロアー)の許可なく議会を傍聴していた者や記者などと共に、無断使用していた事件が発生した。

 庁舎内の会議室等は、庁舎管理者の許可なく無断で使用することは規則で禁止されており、使用を望む場合は庁舎管理者の許可を要することは言うまでもない。特に議会開催中においては、議会中継を傍聴する以外の目的で使用することは禁止されており、その旨も香芝市議会議員全員にも通知されていた。

 しかし、香芝市議会会派・日本共産党の中井政友議員及び青木恒子議員は、許可なく会議室(応接室)を使用していたことから、議会議会事務局長において使用禁止の旨を告げられ、即刻使用を止め、退出する旨が告げられたが、その指示には従わず無視したため、庁舎管理者にその旨の報告が行われた。

 庁舎管理者は、直ちに青木恒子議員に対し、複数回にわたり無断使用禁止及び政治活動等の禁止を求めたが、青木恒子議員は、「市民の代表なので市民に伝えているだけだ」及び「記者会見しているだけだ」と反発し、庁舎管理者から、使用を中止しないなら退去命令を発出する旨も通告されていた。しかし、青木恒子議員は、「取材に答えている」、「取材もダメなのか」、「私は取材を受けているだけだ」、「次元の低いことを言うな」、「私は市民の代表だ。」と強く反発し、庁舎管理者の指示に従うことはなかった。

 更に、庁舎管理者から、「庁舎なので、会議室も廊下も目的外に無断に使用することはダメだ」と告げられるも、青木恒子議員は、「誰でもここを使用しても良い」と強く反発することから、庁舎管理者は青木恒子議員に対し退去命令を出すに至ったのである。

 そもそも、香芝市庁舎とは、地方自治法第244条に規定される「住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設」である「公の施設」とは異なり、「市行政や行政に関連する事務を行う組織が入っている建物」であり、事務を行う施設と公の施設とは全く概念が異なることは言うまでもない。 香芝市議会議員であれば、このような基本的事項は、誰もが適正に解釈をしているものであり、庁舎を「市民だから自由に使ってよいのだ」の旨の反論は失当しており、著しい解釈の不足と言わざるを得ないものである。

 しかるに、中井政友議員は、12月2日、金曜日に、12月5日、月曜日の会議室(応接室)の使用願の申し出を行っており、庁舎管理者はそれを許可していない事実も発覚している。即ち、使用許可を必要とする認識は証明されており、庁舎の会議室(応接室)を許可なく無断で使用するなど、あり得ない行為であり、その無断使用や退去命令が発するに至った経緯を鑑みれば、庁舎管理者及び議会事務局の事務執行を妨害した行為と言わざるを得ないのである。

 故に、これらの事件を鑑み、香芝市議会は、庁舎管理規則を遵守し、庁舎の秩序を維持しなければならず、行政等の事務執行を妨害する行為は、今後二度とあってはならないのである。

 よって、ここに「香芝市議会議員の香芝市庁舎管理規則を遵守する」ことを決議する。

令和4年12月22日
香芝市議会

 この決議にある議開会中の応接室使用自粛の通知と、市庁舎管理規則が禁止行為としている庁舎内での「政治的問題に関する演説行為」については、議会応接室の使用を巡る問題の第1報で伝えている。 記事へ

2022年12月5日当日の香芝市議会応接室でのやり取り

 (記者が録音したものを文字起こしした。録音は午後7時半ごろから約4分間)

青木議員「私は一般質問で、生活保護の問題と就学援助の問題と補聴器の助成の問題と放課後の子供たちの過ごす放課後児童教室と、それと後は議会に対して、議長の専用自動車について、それから今回の乳幼児の急きょの視察旅行についてとか、具体的なことを項目に挙げて、議会と財政というところで追及しようと準備をしていたところです。インボイスはできてなかったんですけど。それをとにかく言おうと思っていました」
(この青木議員の発言の後、議会事務局長が姿を見せた)
議会事務局長「青木議員、ここで政治的発言はやめてくださいね」
青木議員「政治的発言はしていません」
市民「報告や」
議会事務局長「報告も同じです」
青木議員「共産党がうんぬんとか言ってませんけど」
議会事務局長「個人の議員活動も同じですので」
青木議員「議員活動は政治活動なんですか」
議会事務局長「もちろん議員活動も一緒」
青木議員「市民の代表で市民に伝えるのは大丈夫ですよね(または「では」か)」
議会事務局長「議員としての活動ですよね」
青木議員「議員報告です」
議会事務局長「も同じです。演説は禁止になります」
青木議員「演説してませんよ」
議会事務局長「演説ですから」
青木議員「ここに、記者会見で記者に言っているわけですから。記者に報告してますよ記者に」
議会事務局長「皆さんに向かっておっしゃってますので」
青木議員「記者会見です。ここは」
議会事務局長「それはもうだめです」
青木議員「記者はいいですよね」
議会事務局長「記者だけ別室であったら構いません。ここはそういう形で使わないでくださいという話をしていましたよね。この部屋は」
市民「何か決まりがあったら文書で」
議会事務局長「やめられなかったら退去命令になりますので」
青木議員「その決まりを文書の法的根拠を示してください」
議会事務局長「これ張ってます」
青木議員「張るんじゃなくて、これの法的根拠です」
議会事務局長「もう次、退去命令しますんで」
不明「どういうことですか」(青木議員、市民のどちらか判別できず)
議会事務局長「退去命令です」
市民「…(聞き取れず)ですか」
青木議員「事務局の方です」
議会事務局長「ご遠慮ください」
青木議員「事務局の方がじゃあ市民の方に分かるように伝えてくださいよ。そしたら私も…(聞き取れず)」
議会事務局長「庁舎内でするのが駄目だと言っているんですよ」
市民「今までもここでやってましたよ」
議会事務局長「それは11月に庁舎管理規則が改正になりまして、はっきり駄目だと書かれましたので、そういう形で話をさせてもらっています」
市民「それは今、初めて聞きました。今後は分かりました。そういう状況は。今後は分かりました」
青木議員「(市民に向かって)まあそういうことですので、またお伝えしますけど…」
議会事務局長「皆さんに向かってしゃべるのはやめてください」
市民「説明している。議会報告している…」
議会事務局長「庁舎内じゃ駄目だということです。ここでは駄目だということです」
市民「誰に忖度(そんたく)して言うてるの」
市民「それなら市民に対してね出ていってよ言うてよ」
議会事務局長「青木議員に対して言ってるんです」
市民「僕らじゃないの」
議会事務局長「市民に対しては言ってません。青木議員に対して…」
市民「僕が青木さんを呼んだらあかんの」
議会事務局長「それは庁舎内以外のところなら全然結構ですよ」
市民「ここ、つこうてもええやん」
議会事務局長「ここでは駄目だということです」
市民「それ変やん」
市民「その理由を言うて」
議会事務局長「庁舎管理規則第15条第13号に書いてます」
市民「それはどんな趣旨があんの」
市民「演説やってないやん。ここに書いてあるのは演説行為…」
議会事務局長「青木議員に対して言ってます。市民の方には言ってません」
市民「僕に言うてよ。市民に」
議会事務局長「青木議員に対してです。ですから市民の方に対し…(聞き取れず)」
市民「無理やり呼んだんですよ」
議会事務局長「無理やり呼んだからといって、青木議員が答えるっていうのは間違っています」
青木議員「だから取材に答えているんです」
議会事務局長「じゃあ違うところでやってください」
青木議員「取材もここ駄目なんですか。ここでよく記者会見をしてました」
議会事務局長「この部屋では…」
市民「なら廊下ならいいんか」
議会事務局長「駄目だと言うたでしょ」
市民「部屋じゃ駄目やて…」
議会事務局長「部屋で駄目ですし、廊下でも駄目です」
青木議員「どこでしたらいいんですか」
議会事務局長「庁舎外でしてください」
市民「そんな市役所ないですよ。何を言うてんの…(多数の納得しない声)」
記者(記事筆者)「記者室、使えるんじゃないですか」
市民「別の問題やし、いったん上がりましょ」
青木議員「記者室はあるんですか。記者室…」
議会事務局長「記者室ありますよ」
青木議員「どこにあるんですか」
議会事務局長「2階にあります」
青木議員「2階にある」
市民「…(多数の不満の声)」

 この後もやり取りは続くが録音はここで終了。青木議員の発言もこの辺りまで。やり取りの場は途中、応接室から廊下に移った。廊下でのやり取りでは、川田議長が姿を見せ、今度は市民と川田議長のやり取りになった。 関連記事へ

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