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浅野善一

奈良県、大型の箱物など20事業予算執行いったん停止 初当選の山下知事が前県政見直し

就任会見に臨む山下真知事=2023年5月8日、奈良県庁(浅野善一撮影)

就任会見に臨む山下真知事=2023年5月8日、奈良県庁(浅野善一撮影)

 4月の奈良県知事選に大型箱物事業などの見直しを掲げて日本維新の会公認で立候補し、初当選した山下真知事(54)は職務を開始した5月8日、20事業について2023年度予算の執行をいったん停止した。庁議で関係部局長に指示した。6月上旬までに査定を終え、執行するか否かの最終的な判断をするという。この日の就任会見で明らかにした。

 知事は会見で「現職を破って新しい知事が誕生するのは1951年以来、72年ぶり。民間出身も初めてなので職員も戸惑うこともあるかもしれないが、県民目線で当たり前の方向に戻すという意味での県政改革だと訓示した。公約の実現、県の発展に向け職員と一丸となって力を尽くしてまいりたい」と抱負を述べた。

 知事は予算執行のいったん停止について「2023年度予算は、荒井正吾前知事ご自身が継続されることを前提にしているので骨格予算とは言えない。前知事の肝いり事業が満載と見ている。選挙でこの見直しをうたった以上、そのまま執行するわけにはいかない」とし、関係幹部職員と共に査定に当たるとした。

2023年度予算の執行をいったん停止する事業

1)御所IC(京奈和自動車道)工業団地整備
2)パリでの県産品PR支援
3)県コンベンションセンターへの国際会議誘致活動
4)奈良公園バスターミナルでのイベント実施
5)県営平城宮跡歴史公園朱雀大路東側地区(歴史体験学習館関連)、南側地区整備
6)自転車利用ネットワークの構築(世界遺産周遊サイクルルート整備など)
7)大規模広域防災拠点(五條市)の整備
8)国道168号バイパスの整備(大規模広域防災拠点関連道路)
9)近鉄大和西大寺駅の高架化と奈良線移設(平城宮跡)
10)リニア中央新幹線「奈良市付近駅」早期確定と関西国際空港接続線
11)西和医療センター移転・再整備の検討
12)2031年国体開催に向けた競技場整備推進(橿原市、川西町、田原本町)
13)まほろば健康パーク機能強化(大和郡山市など)
14)県立工科大学設置推進(三宅町)
15)県文化会館リニューアル
16)特定農業振興ゾーンの整備(大和平野中央田園都市構想川西町下永地区)
17)県中央卸売市場再整備(大和郡山市)
18)NAFIC(県立なら食と農の魅力創造国際大学校)周辺整備など(桜井市)
19)大和平野中央田園都市構想(川西町、三宅町、田原本町)の推進
20)県総合医療センター跡地のまちづくり(奈良市)

 リニア中央新幹線関連では、奈良駅は必要としながらも駅の位置については事業主体のJRに考えがあるはずで県独自の調査は疑問とした。さらに、駅から関西国際空港への接続線は鉄道、バスなど既存の交通手段があり必要ないとした。

 2000メートル級の滑走路を備えた大規模広域防災拠点については、陸上自衛隊駐屯地の誘致やヘリポートの計画が消えて突如出てきたとし、必要性がどこまで吟味されたか疑問と指摘した。

 近鉄大和西大寺駅の高架化と奈良線移設については、駅の高架化により駅から西側の踏切の解消は必要だが、大宮通りの地下を通すというのはあまり意味がないと述べた。

 県営平城宮跡歴史公園の整備については、大宮通りの北側はいろいろな施設ができているが「がらがら」とし、「さらに施設をつくる必要があるのか」と指摘。同通りの南側については「平城宮跡自体が広大な公園なのになぜまた公園をつくるのか。もっと有効な土地活用の方法があるのでは」と疑問を呈した。

 このほか、査定の後に予算執行のいったん停止をするかどうかを判断する事業なども複数挙げた。

 野党となる自民党会派が過半数を占める県議会の6月議会で事業見直しへの質問を受けることになるが「全部をやめるわけではなく、必要性や費用対効果に疑問があるものをやめるので、その点を丁寧に説明すれば理解いただけると思う」と述べた。

 山下知事は弁護士で2006年から奈良県生駒市長を3期9年務めた。 関連記事へ

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