ニュース「奈良の声」のロゴ

地域の身近な問題を掘り下げて取材しています

Loading

発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

県の東アジアの未来考える事業に「一服しては」 議会で荒井知事に質問議員が提案

 25日の奈良県議会6月定例会一般質問で、県が2010年の平城遷都1300年祭を機に取り組む「日本と東アジアの未来を考える」事業について、梶川虔二議員(創生奈良)が県政で取り組む課題ではないとし、事業に力を入れる荒井正吾知事に対し、「一服しては」と休止を提案した。

 梶川議員は質問で、「日本と東アジアの未来を考える委員会」の研究活動の成果報告書として県がこのほど発行した「日本と東アジアの未来を考える。」を取り上げ、「どのような県政の課題に対処するために、どのような研究をして作成したものか」と尋ねた。

 報告書はいずれもB5判の本編5巻と概要版から成り、総ページ数は5370ページに上る。本編を1000組(5000部)、概要版を5000部作成した。県によると、印刷・製本の費用として1600万円、3年間にわたる委員会の研究会開催の経費として5000万円。このほか、国会議員、県議、関係省庁、研究機関、各都道府県知事、都道府県立図書館、県内の市町村長や図書館などへの報告書発送費用も掛かった。非売品としている。

 委員会の研究項目は、古代史、近現代、アイデンティティ・文化、思想史、外交、政治、経済、教育、くらし・健康、地方、国土の11分野。報告書には、第一線の研究者、有識者が参加したという各研究会での議論を書き起こしたものや、委員から寄せられた論考などを掲載している。

 答弁した荒井知事は報告書の意義について、「今の地方創生につながる。県政の今後の方向性に示唆を与えるもの。県政に反映させていきたい」と述べた。

 これに対し、再質問した梶川議員は、報告書について取り上げた新聞記事で識者が「県政で取り組む課題ではない。県が大金を投じる事業としては、ずれている」と批判していることを紹介、私もそのように感じると述べ、「東アジアの未来を考える」事業について「一服していただいたらどうか」と提案した。

 県はこれまで、さまざまな関連事業を実施してきた。一方で、日本と東アジアの未来を考えることを目的に開設したインターネットサイトが11年度、未公表のまま廃止されたことが「奈良の声」の取材で分かっている。数千万円の規模の事業だった。

読者の声

comments powered by Disqus