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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

県庁横の歩道撤去 県の意見コーナーに疑問の声また2件 「歩行者の安全軽視するのか」「歩道復活を」

 奈良県がことし3月、県庁西側の奈良市道において車道拡幅のため歩道を撤去した問題で、県の県政意見コーナーに「歩行者の安全を軽視するのか」「歩道復活を」とする声が新たに2件、寄せられていたことが分かった。県がホームページの「県民の声」コーナーで1日までに公開した。同コーナーには3月にも歩道設置を求める声が1件、寄せられている。同市道では、歩道がなくなった危険な車道を歩く人が絶えない。

 県は、8月中に同コーナーに寄せられた意見とそれへの回答を、10月30日付で公開した。掲載意見19件のうち2件が歩道撤去に対するもの。

 一つは8月24日の受け付けで、「歩道が撤去されたと新聞で知りました。県庁の近くでさえ歩道が撤去されるのならば、県全体においても歩行者の安全を軽視されるのでしょうか」と疑問をぶつけている。もう一つは同31日の受け付けで、「県庁付近を通行することが大変不便になりました。少々車道を広げたところでどのような改善点があるのか、まったく見えず、理解に苦しみます。歩道の復活を要望します」という切実な訴え。

 県道路環境課の回答は車道拡幅の経緯などについて、奈良公園を訪れる観光バスの乗降などの拠点として県庁東側に登大路ターミナルを計画しており、発着するバスの通行に対応するため車道を拡幅したと説明。「歩行空間については、西側に隣接する県文化会館の前庭にある緑豊かな風情が感じられる遊歩道に移した」とした。

 さらに、歩行者の安全対策や歩道復活を求める意見については、「歩行経路の変更を認識いただくため、周辺に案内看板を設置し、安全な誘導を行うなど歩行者への十分な配慮に努めている」「(歩行者の)南下および北上時の利便性を改善するため、県庁西交差点の西側に新たに横断歩道の設置を検討している」などと述べている。

 奈良の声は、県庁前にある奈良公園が観光客でにぎわうことし9月の連休の20日日曜日、問題の車道を歩く人を数えた。結果は1時間当たり105人。調査した昼間全6時間の総数は延べ630人に上った。

 荒井正吾知事は8月19日の定例記者会見で、危険な車道の路肩を歩く人が絶えない問題について、近道をしたいという歩行者の心理があるためではないかと述べた。また、歩道がなくなった所を歩いている人は目立つ、ともした。県の歩道撤去の是非には触れず、歩行者の心理や見た目の感じ方として論じた。

 同市道は、道路を新設、改築するときの技術的基準を定めた国の道路構造令やこれに準拠した市の条例に照らせば、反対に歩道の設置を求められる道路に相当する。

 車道拡幅工事では、県文化会館広場(前庭)の一部を削って道路全体を拡幅し、歩道を残す方法も考えられるが、県道路環境課によると、市道に並行する広場通路(遊歩道)がある上、費用の節減という点から検討はされなかった。【続報へ】


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