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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

奈良町に新設の市観光駐車場、夜間入出庫できず 防犯理由、警察から指導、24時間営業見送る

今月19日開設された奈良町南観光駐車場

今月19日に開設された奈良町南観光駐車場。同じ敷地に食堂(左の平屋建物)や案内所(右の2階建て建物)がある=2015年11月28日、奈良市井上町

 奈良市が今月19日、同市井上町に奈良町南観光案内所と共に開設した有料観光駐車場は、入出庫できる営業時間が午前7時から午後7時までと利用しにくい設定になっている。当初は24時間営業の予定だった。市の条例でも同様に定めた。実施を見送った理由は、同じ敷地にある案内所や店舗の夜間の防犯。奈良署から「指導があった」という。

 同施設は、歴史的な町並みが残る奈良町の一角、幹線道路沿いにある。総面積は約1700平方メートル。うち奈良町南観光駐車場は560平方メートルで20台を収容をできる。料金は30分ごとに100円、営業時間外でも駐車は継続でき、24時間につき800円としている。観光案内所と駐車場は、同じ指定管理者に運営を委託している。

 奈良町南観光駐車場を追加した市観光自動車駐車場条例の改正案は、同駐車場の入出庫できる時間を24時間として提案され、昨年12月の市議会定例会で全会一致で可決された。

 しかし、ことし8月24日の市議会観光文教委員会で、駐車場の営業時間について質問があった。議事録によると、川本了造・市観光経済部長は「地元自治会から、夜間の防犯上、観光案内所などの営業時間内にとの要望書が提出されており、また、所管の警察署からも防犯上、営業時間内にできないかとの強い指導があった。当面、観光案内所などの営業時間を基本として運営してまいりたい」などと答弁した。

 市奈良町にぎわい課の徳岡健治課長によると、同観光案内所は案内所、食堂、喫茶の建物3つと駐車場が一体の敷地にあり、駐車場を区画する柵などがないことが、無人となる夜間の防犯上の問題になるという。井上町自治会に対しては、奈良署から市に指導があったことを伝え、地元としてはどうかと問い掛けたところ、駐車場の営業時間について要望書の提出があったとした。24時間営業を見送ったことについて、警察の指導は要因うちの一つと説明した。

 営業時間の変更に伴う条例改正は行っていない。条例では、指定管理者は市長の承認を得て、入出庫できる時間を変更できる、としている。徳岡課長は「安全の上にも安全を考えた。実際に運営してみて、夜間営業を許容できるとなれば、再度、変更もある」とする。

 「奈良の声」の取材に対し、井上町自治会の会長は「自治会は駐車場の24時間営業に反対していなかったが、観光案内所は開放的で広く、警察の言うことも一理ある」とした。また、指定管理者「くるみの木」(奈良市)の総務担当者は「どちらかというと24時間営業を希望していたが、警察から市への指導は分からないでもない。市と協議の上、従った。営業時間については今後も積極的に関係者と協議したい」とした。

 一方、奈良署交通第一課は「施設から道路への車の出入りについて市から相談があった。警察の職務として、防犯対策や安全対策についても当然聴く。駐車場を夜も開けておくと子どもたちが集まるというような話はした。警察が駐車場を何時までに閉めろとは言えない。営業時間の決定は市の判断」とした。

 駐車場の東隣には同署ならまち交番がある。【続報へ】

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