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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

奈良の一条高校図書館、本の配列など工夫、居心地良い場へ 改装で実績の赤木かん子さん招き

図書館の改装作業中の赤木かん子さん

図書館の改装作業中の赤木かん子さん=2016年1月31日、奈良市法華寺町の市立一条高校

本棚の配置を変え、図書館の中央に設けられたメーンストリートと呼ばれる空間

本棚の配置を変え、図書館の中央に設けられたメーンストリートと呼ばれる空間

 奈良市法華寺町の市立一条高校(池住寿弘校長、1073人)の図書館で、学校図書館の改装で実績のある児童文学評論家赤木かん子さん(東京都在住)による改装が進められている。図書館の活性化を図り、生徒の利用をより増やそうと、市教育委員会が赤木さんを招いた。本棚の配置や本の並べ方を工夫することで、生徒にとって居心地の良い場所を目指す。

 同校は、奈良時代にあった日本最初の公開図書館「芸亭(うんてい)」の伝承地に立つ。図書館はこれにちなんで芸亭文武館の名が付いている。建物は鉄筋コンクリート造り2階建てで2001年の完成。1階は武道場、図書館は2階にあり、広さ約640平方メートル。改装前の蔵書は約3万7000冊。司書が1人いる。

 赤木さんは「学校図書館のつくり方」などの著書があり、赤木さんが改装を手掛けた小中学校や高校の図書館は全国にある。改装はいわば手作りで、色柄の布をカウンターや壁に張ったり、机に掛けたりして、明るい雰囲気をつくる。本は、従来の分類法に加え、子供たちが利用しやすい分類の仕方を考え、背表紙の分類のラベルにはイラストも使う。子供たちの足が自然に図書館や本に向かうよう工夫している。

 市教委の縄田智彦・学校教育課指導主事によると、一条高校では図書館活性化のため、これまでもいろいろな工夫をしてきたが、今回、この方面で実績のある赤木さんの力を借りることにした。

 改装作業は1月30日に始まった。赤木さんの指示に従い、事前に天井の照明の蛍光灯を掃除しただけで、室内は見違えるように明るくなったという。

 赤木さんによると、これまでの同図書館は本棚の配列が室内を占め、生徒の居る場がなかったという。改装では室内の中央にメーンストリートと呼ばれるゆったりとした空間を設けた。「広がりと奥行きが生まれた」と縄田指導主事は話す。メーンストリート正面奥の壁の本棚には、見栄えが良さそうな自然科学系の本を選んで、表紙を見せる面出しという方法で並べる。

 郷土奈良の本のコーナーには、JR奈良駅で譲ってもらった観光ポスターを掲示し、奈良への好奇心を刺激する。自然科学系の本などは大幅に入れ替える予定。新しい知見が得られていて、内容が古くなっている本が多くあるためという。廃棄になる本もある。公立学校の図書館は狭くて所蔵場所が限られ、買う一方では本棚が増えすぎてしまうという。

 図書館は、明るく居心地の良い場所に生まれ変わる予定だ。赤木さんは「生徒は普段、せわしくしている。ふらりと来てくれれば、それだけで気分も変わる。あっと思う本があれば手も伸びる」と話す。

 改装には、赤木さんの呼び掛けで集まった一般のボランティアも参加、本の移動などを手伝っている。作業は2月7日まで行われ、8日に開館の予定という。【続報へ】

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