西奈良県民センター跡地「活用の意向無し」 地元奈良市が県の照会に回答
建物が撤去され更地になっている西奈良県民センター跡地=2019年11月、奈良市登美ケ丘2丁目
閉館した奈良市登美ケ丘2丁目の県施設「西奈良県民センター」の跡地について、地元奈良市が、県からの活用意向の有無を尋ねる照会に対し、「無し」と回答していたことが18日までに分かった。同跡地については、住民有志でつくる「住みよい登美ケ丘をつくる会」(山口功二代表)が県に対し、ホールなどを備えた交流施設の建設を要望しているが、県は「市で整備すべき内容」との立場を表明している。
「つくる会」関係者が市に開示請求して得た文書から判明した。それによると、県はことし7月9日付で同市に対し、「低・未利用資産の跡地利用について(照会)」と題する文書で、同跡地の活用意向の有無を尋ねた。
市資産経営課によると、市はこれを受けて、同課が窓口となり、市の全課に活用意向の有無を照会したが、活用を申し出る課はなかった。市は県に対し8月13日付の文書「低・未利用資産の跡地利用について(回答)」で「活用の意向無し」と伝えた。
「つくる会」は昨年11月、県に対し、同跡地に多目的ホールや児童室、会議室を備えた施設の建設を求める要望書を提出した。県ファシリティマネジメント室によると、ことし3月下旬、県くらし創造部の桝田斉志部長(当時)が奈良市の向井政彦副市長に対し、同会からの要望内容を伝えていた。
県は、同跡地を含む低・未利用県有資産92件(ことし4月1日時点)について有効活用を検討中で、県で活用しない場合は地元市町村に活用意向の有無を照会、活用の希望がなければ民間への売却を図っている。 続報へ