地裁の仮差し止めが影響か 議員懲罰の議決見送る 奈良県香芝市議会
香芝市役所=同市本町
奈良県香芝市議会は9月5日、定例会初日のこの日に予定していた青木恒子議員(共産党)に対する出席停止の懲罰動議の議決を見送った。議会は理由を明らかにしなかったが、奈良地裁が9月1日付で議会に対し、同議員の出席停止処分を行わないよう仮の差し止めを決定したことが影響したものとみられる。
8月29日の市議会議会運営員会(芦高清友委員長、6人)では、定例会初日の議事日程として市議会懲罰特別委員会(中谷一輝委員長、6人)の委員長報告が決定していた。青木議員に対し出席停止8日間の懲罰を科すことを委員会として決定したことについて、当日の本会議で委員長が報告。採決を行う予定だった。
日程の変更は、5日の本会議開会前に開かれた議会運営委で決定された。芦高委員長は、懲罰特別委の中谷委員長から報告取り下げの申し出があったと説明した。
この後の本会議では、青木議員の懲罰に反対してきた議員らが委員長報告取り下げの理由について説明を求めたが、芦高委員長の答弁は「取り下げられたら日程には上がらない。理由については答える立場にない」というものだった。
一方、中谷委員長は報道陣の取材に対し、「今、言えるのは初日に報告することを取り下げたということだけ」と述べるにとどまった。地裁の決定後、委員会は開いていないといい、定例会会期中に開きたいとした。
青木議員はこの日、本会議に出席。報道陣の取材に対し「採決の強行はなかったが、経過報告ぐらいはすべき」と批判した。
川田裕議長は地裁の決定に対し、「方針は決めていないが、抗告を含め対応を検討している。早急に判断しなければならない」と述べた。 関連記事へ