浅野善一
県庁横・市道の歩道撤去、仲川市長「歩行者の安全、県に強く求める」 議会で答弁
奈良県が県庁横の奈良市道において、車道拡幅のため歩道を撤去した問題が、18日の同市議会6月定例会の一般質問で取り上げられた。議員が「危険な車道を歩く人が絶えない」と指摘したのに対し、仲川元庸市長は「県に歩行者の安全を強く求めたい」と述べた。
問題の市道は、同市登大路町の県庁の西側を南北に走っている。歩道は道路の東側に100メートル余りにわたってあった。県は撤去に当たり、市道西側に隣接している県文化会館広場の通路で代替機能を確保すると約束、市道を管理する奈良市の承認を得た。県は、県庁の隣で観光バスターミナルの整備を進めており、車道拡幅はバスの通行を容易にするのが狙い。工事はことし3月に完了した。
質問した酒井孝江議員(無所属)は、県が歩道を撤去したことや広場通路を歩道の代わりとしたことについて「歩行者の動線を無視している」と批判、「道路に歩道を作るべき」と訴えた。
答弁した仲川市長は「県は、市道に並行している広場通路を、歩者分離を図るため歩道の代替とし、歩行者の安全、動線を確保するとのことだった」と述べ、今後も県に歩行者の安全を求めるとした。