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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

県が奈良公園入り口に整備の観光バスターミナル、「建物の規模縮小必要では」 検討委で景観配慮求める意見

登大路ターミナル(手前のH字形の建物)の計画案。奥は奈良県庁。右の木立が吉城園に続いている

登大路ターミナル(手前のH字形の建物)の計画案。奥は奈良県庁。右の木立が吉城園に続いている(県の配付資料から)

登大路ターミナルの正面(計画案)

登大路ターミナルの正面(計画案)

登大路ターミナルの建設予定地(築地塀、柵の向こう側)を、吉城園などがある東側から見る。奥に興福寺五重塔を望むことができる。右端の建物は奈良県庁

登大路ターミナルの建設予定地(築地塀、柵の向こう側)を、吉城園などがある東側から見る。現在は奥に興福寺五重塔を望むことができる。右端の建物は奈良県庁=2015年8月7日、奈良市登大路町付近から

 奈良県の第10回奈良公園地区整備検討委員会(委員長・増井正哉京都大学大学院人間・環境学研究科教授、12人)が7日、奈良市内であり、若草山の移動支援の手法、登大路ターミナルの整備、高畑裁判所跡地の活用について意見を求めた。県が公園入り口の同市登大路町に整備する観光バス駐車場「登大路ターミナル」については、建物の規模が大きいことから景観への配慮を求める意見があった。

 同ターミナルの予定地は名勝奈良公園の一角で、建物建設には文化庁から現状変更の許可を受けなければならない。

 計画案では、県庁本庁舎東隣の県営登大路観光自動車駐車場跡地約9000平方メートルに、バスの乗降場や駐機場、3階建ての建物を設ける。建物には飲食・物販店舗、交通管理センター、レクチャーホール、展示施設、屋上庭園を整備する。

 県奈良公園室がこの日示した検討中の完成予想図によると、3階建ての西棟と2階建ての東棟の間にバスの空間があり、東西両棟は空中の渡り廊下で結ばれる。建物の意匠は現代的で、西棟は2、3階の全方位にデッキ、東棟は屋上に庭園、渡り廊下は上にブリッジ、また壁面はガラス張りを多様するなど、展望を重視した造りになっている。

 建物は、南北に走る国道369号沿いに100メートル近くに及ぶ規模。一方、同国道を挟んで東側の区域には、日本庭園の吉城園や歴史的な建物がある。増井委員長は景観への影響を懸念し、「周辺でこれだけ長大な建物は他にない。道路を挟んで東側には吉城園があるが、西側は何でもありかということになる。建物のスケールダウン(規模の縮小)が必要では」と注文した。屋上庭園についても「何でも見下ろせば人が集まるというのは疑問。全国には失敗例もある」と指摘した。隣の6階建て県庁屋上にも庭園が整備されている。

 県奈良公園室によると、登大路ターミナルの建設工事は2016年9月から2018年3月までの予定という。

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