県営プール跡地の大会議場など整備220億円 「財源は県基金、国庫補助、県債」 県議会予算審査委で県
奈良県は、奈良市の県営プールなどの跡地で進めている国際級ホテルを核とした観光拠点整備事業のうち、220億8000万円を投じて整備する大会議場・屋根付き大規模広場・料飲物販施設などの財源について、国庫補助のほか、県地域・経済活性化基金の取り崩しや県債発行で賄う予定であることを、5日の県議会9月定例会予算審査特別委員会(岩田国夫委員長)で明らかにした。
県は同金額を限度額とする債務負担行為を、9月定例会に提出中の一般会計補正予算案に盛り込んでいる。
阪口保委員(創生奈良)が費用の財源確保についてただした。本村龍平・県地域デザイン推進課長は、全費用のうち施設の設計・建設費の200億8000万円については、国庫補助で30億2000万円を見込んでいるほか、県が積み立てている地域・経済活性化基金の取り崩しで139億1000万円、国の地方交付税措置がある県債の発行で28億4000万円を賄うとした。同課長は「金利が発生するのは市場より金利が低い県債のみ」と説明した。維持管理・運営費の20億円は一般財源とした。
県地域・経済活性化基金は2013年4月、「県内の各地域および県経済の活性化に資する事業の推進を図るため」として設置。積立金は県の一般会計から支出している。2014年度末の残高は243億5451万1000円。
事業手法は、民間の経営能力や技術的能力を活用するPFI方式を採用。県は、施設の設計・建設から維持管理・運営までを行う企業の共同体を公募、完成した施設を取得した上で、運営を任せるが、取得費用の支出は工事の進捗(しんちょく)度に応じた年度ごとの出来高払いとする。完成予定は20年3月で、維持管理・運営費は完成後、35年までの15年間分の総額。