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第1回「奈良の声」読者会の報告

浅野善一

奈良県馬見丘陵公園 駐車場有料化実験で賛成57%、反対32% 県の来園者アンケート

馬見丘陵公園北駐車場=2025年9月、奈良県広陵町、浅野善一撮影

馬見丘陵公園北駐車場=2025年9月、奈良県広陵町、浅野善一撮影

 花の公園として知られ県外からの来園者も多い奈良県営馬見丘陵公園(河合町、広陵町)で、今年10月初めの催し期間中に行われた駐車場有料化・渋滞対策の実験の際、県が来園者を対象に実施したアンケート調査の結果が明らかになった。駐車場有料化について賛成は57%で、反対の32%を上回った。

 12月10日の県議会定例会建設委員会で県が実験の結果を報告した。実験は、10月4~13日の催し「あきいろマルシェ in 馬見フラワーフェスタ」に合わせて実施された。期間中の来園者数は約3万700人で、駐車場利用台数は約7900台。実験的に徴収した料金は利用1回につき500円で約250万円の収入(徴収率約80%)があった。

 報告によると、アンケートには898人が回答した。居住地別では公園の地元となる北葛城郡4町(上牧、王寺、広陵、河合)が21%、4町以外の県内が44%、大阪府が26%、京都府が3%、和歌山県が2%などだった。地元4町が5分の1にとどまった一方、県外が3分の1を占めた。

 年齢別では多い順に70代が26%、60代が22%、50代が22%、40代が13%、30代が11%、20代が6%だった。

 駐車場有料化に対しては賛成が57%、反対が32%だった。料金として許容できる支払い額については「400円まで」が41%、「500円」が51%、「600~900円」が2%、「1000円」が6%だった。

 県によると、来園時の交通手段は車が約8割を占めたという。地元4町の来園者に限ると、約4割が徒歩だったという。

 一方、渋滞対策の実験では広域的な交通誘導を実施。同公園では催し期間中の駐車待ちの車などによる周辺道路の渋滞が課題になっており、実験では仮設のLED情報板を周辺の主要交差点に設置し、駐車場の「満」「空」情報の提供や駐車場への経路案内を行った。アンケートでは、車での来園者の約4割が情報板の設置を認識し、経路の判断の参考にしたと回答したという。

 駐車場有料化は、持続可能な公園管理に向けた新たな財源の確保のためとして検討されている。山下真知事は、同委員会に先立つ12月4日の定例会本会議の代表質問での答弁で「近年の人件費や球根代の高騰などにより、植栽の管理が年々厳しくなっている」などとして、「駐車場有料化により得られる資金も活用して、公園の魅力向上や公共交通の利用促進に向けた取り組みを着実に実施してまいりたい」と述べた。

筆者情報

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馬見丘陵公園北駐車場=2025年9月、奈良県広陵町、浅野善一撮影

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