大和郡山・城下町の町家調査、結果をパネル展示 県建築士会部会が保存・活用に向け
城下町だった大和郡山市に残る町家の調査結果を紹介したパネル展=2016年2月14日、同市北郡山町のやまと郡山城ホール
城下町だった奈良県大和郡山市の中心市街地に残る、町家などの歴史的建造物を調査した結果を紹介するパネル展が14日、同市北郡山町のやまと郡山城ホールであった。同所では町家がまちの魅力になっている一方で、空き家となったり、取り壊されたりする町家も増え続けているといい、その保存や活用が課題になっている。
調査を実施した県建築士会郡山支部城下町大和郡山建物探訪部会(徳本雅代部会長)が開いた。
大和郡山は中世末期、豊臣秀長が基礎を作り、江戸時代には大和一国の政治経済、文化の中心として栄えた。郡山城の城下町の核となった「箱本十三町」と呼ばれる区域には、業種別などに十三の町があった。今も北鍛冶町や魚町、豆腐町、材木町、北大工町などの地名が残っている。
同部会は、箱本十三町を中心に建物を1軒1軒確認し、歴史的建造物の目安とされる築50年以上の建物の中から、各時代を象徴する、次代に残したい50軒を選んだ。このうち、所有者らに聞き取りや実測の承諾を得られた16軒について、建物の概要、現況、特徴、暮らしの様子を記録した。調査には約6年を掛けた。
16軒には、江戸、明治、大正、昭和それぞれの建物があり、最も古い横田家住宅は1806年建造の木造建物で、当時の用途は両替商、現在は住宅として使われている。最も新しい大上家住宅は1955年建造の木造建物で、当時の用途は住宅、現在は事務所として使われている。
パネル展会場では、16軒それぞれのパネルのほか、調査の経緯や経過などを紹介するパネルが展示され、訪れた市民らの関心を集めていた。
3月13日にまち歩きとフォーラム
同部会は調査結果を冊子にまとめ、配布する。また、調査結果を踏まえて、3月13日、まち歩きとフォーラムを実施する。まち歩きは午前9時45分、やまと郡山城ホールエントランスホール集合、城下町を巡る。定員20人。フォーラムは午後1時30分から、同市洞泉寺町の旧川本家住宅で、建築家才本謙二さんの講演や同部会の調査活動報告、歴史的建造物の活用に取り組む人たちの意見交換などがある。定員30人。いずれも参加無料。
申し込みは3月6日までに、氏名・年齢・性別・住所・電話番号を同部会の何左(なさ)昌範さん、電話090-2278-9802、Eメール、sasarina.mano@gmail.comへ【続報へ】