奈良県の登大路バスターミナル案、3階建てから2階建てへ 奈良公園の観光拠点施設、景観に配慮
県が今回明らかにした登大路バスターミナルの計画案。西棟の階数が3から2に減った
県が昨年8月に明らかにした登大路バスターミナルの計画案。西棟が3階建てになっている
奈良県が奈良公園(国指定名勝)の観光拠点施設として、奈良市の県庁横に整備しようとしている登大路バスターミナルについて、これまでの検討結果を踏まえた意匠案が24日までに明らかになった。昨年8月に明らかにされた案に比べると、建物の階数が3から2に減って高さが抑えられるなどした。名称も登大路ターミナルから登大路バスターミナルに改められた。
昨年8月の案に対しては、県の奈良公園地区整備検討委員会(学識経験者ら12人で構成)で、景観への影響から規模の縮小を求める意見があった。
予定地は同公園の一角になることから、文化庁の現状変更の許可が必要。県は、今回の案を3月1日開催の同検討委員会に諮った上、同庁に提出したいとしている。5月の文化審議会文化財分科会第三専門調査会名勝委員会に諮ってもらうことを目指している。
案は2月23日の県議会観光振興対策特別委員会で示された。
同ターミナルは、奈良公園内道路の渋滞の原因とされる観光バスの流入を減らすのが狙いという。計画では、県営登大路観光自動車駐車場跡地約8600平方メートルに、バスの乗降場や駐機場を設け、それを囲む形で、いずれも鉄骨造りの東棟と西棟を配置する。両棟には飲食・物販店舗や交通管理センター、レクチャーホール、展示施設、屋上庭園などが整備される。
県奈良公園室によると、昨年8月の案と異なる点は主に4つ。西棟の階数を3から2に減らし、東棟と同じ高さにした。隣接する県庁東棟(2階建て)との均衡を図ったという。東西両棟の屋上庭園の柵は、屋上の端から後退させて設置、地上から見えにくくした。東棟の東側壁面の上部にひさしを設け、建物を見上げたときに圧迫感がないようにした。また、建物を囲む植栽を多くするようにした。
同室は、今回の案について「昨年8月に示した、たたき台の案に検討委員会や委員会内の専門部会で意見をもらい、名勝の価値を損なわないためにどう配慮したらよいのか検討してきた」としている。
整備費用は41億円
県は、2016年度から3年計画でターミナルを整備したいとしている。費用は造成工事と建築工事を合わせ41億円を見込んでいる。【続報へ】