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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
ジャーナリスト浅野詠子

奈良県域水道一体化による水道料金の方向示されず 市町村との覚え書き締結目標年迫る 2月定例県議会で知事答弁

 奈良県内十数カ所の市町村浄水場の廃止を促し、県南部の大滝ダムの貯水を主な水源とする県域水道一体化に向けた覚え書きの市町村との締結を2020年度に目指す県は4日、開会中の2月定例県議会で、関心が集まる水道料金についての市町村合意形成はどうなるのか、質問を受けたが明示しなかった。

 本会議の代表質問で太田敦議員(共産)が取り上げた。太田議員は、県水一体化を進めた香川県を視察し「10年の歳月をかけた丁寧な議論があり、市町村の自己水は残され、災害時の計画も策定されている」と述べ、本県の一体化は「災害時にライフラインは大丈夫なのか」とただした。

 県が示す一体化計画では、奈良盆地で営まれてきた多様な水源開発が尊重されず、地下水(大和郡山市、生駒市、天理市など)や谷水のため池水源(葛城市)などの浄水場廃止を促す。県民向けのパンフレットには、県水一体化は災害にどのような強みがあるのか、デメリットはまったくないのか、触れていない。

 荒井正吾知事は答弁で「水需要が減少し、施設更新費用が増えてゆくなか、市町村が単独で水道事業を続ければ今後、大幅な値上げとなるだろう。自己水をどうするのか、選択は市町村、市町村議会の判断に委ねる」と述べるにとどまった。【関連記事へ】

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