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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

県域水道一体化 大和郡山市、参加見送り 資産の持ち寄り方納得せず

 奈良県大和郡山市は、県が進める県内28市町村の県域水道一体化への参加を見送ることを決め、10日に開かれた市議会建設水道常任委員会(吉川幸喜委員長、6人)で説明した。上田清市長は、水道事業で生まれた資産の持ち寄り方について、県が示す方針に納得しなかった。

市議会委員会で理解求める

 県は先月26日に開いた県水道サミットで、一体化に向けたルールを示した覚書の案を提示。来月、参加予定市町村に署名してもらう予定にしている。一体化に当たっては参加市町村の資産と負債をすべて企業団(一体化の運営主体)に引き継ぐことになっているが、上田市長は同サミットで「市民の理解が得られない」として、覚書に署名することはできないと表明した。

 同市は一体化への参加をにらんで、今年6月の市議会定例会での議決を経て、市水道事業会計の保有資金82億円のうち、28億円を市の一般会計に移した。同市の水道事業は保有資金が豊富で借入金がほとんどない。一方、参加予定市町村の中には保有資金が少なく借入金が多いというところもあり、資産状況には大きな開きがある。

 同市は、配水量や人口など規模の大小に応じて参加市町村が相当分を持ち寄るルール作りを求めている。しかし、荒井正吾知事は「大和郡山市は資産を隠した。一体化に参加するということは、資産、負債、古い施設を持ってみんなでやろうということで、そうすれば国の交付金もたくさん出る。大和郡山市のしたことは一体化からの離脱宣言と受け止めている」として、受け入れる考えがないことを表明している。

 この日の市議会建設水道常任委員会で市は、覚書に署名できない理由を説明、理解を求めた。市の姿勢を支持する委員は「市の立場を明確にし、市民の財産を守ってほしい。市民に積極的に情報提供していただきたい」と要望。これに対し、中尾誠人副市長は「市の広報紙にあらためて市の考えを掲載していきたい」と応じた。

 一方、別の委員は、上田市長が一体化の方がコスト削減につながるとの考えも示していることから、「市の要望はほかの市町村の賛同を得られるのか。覚書に署名しなかったら一体化への参加はスムーズにいかないのでは」と懸念を示した。中尾副市長は「市単独でいくこともあるとの覚悟を持ちながら要望していきたい」と述べた。 関連記事へ

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