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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

公共施設敷地内への喫煙所設置に反対する請願書を審議 香芝市議会総務建設委

香芝市役所=2022年2月11日、同市本町

香芝市役所=2022年2月11日、同市本町

 市役所などの敷地内禁煙を実施している奈良県香芝市で、議会が市公共施設への屋外分煙施設設置を決議したことに対し、「喫煙所新設に反対する市民の声」(曽根秀一代表)が提出した請願書が14日、同市議会3月定例会総務建設委員会(上田井良二委員長、8人)で審議された。傍聴に訪れた同団体の多数の人たちが見守る中で、委員が議論を戦わせた。

賛成少数で不採択

 同委員会での請願書に対する採決は、賛成3人の少数で不採択となった。同定例会本会議での採決は24日に行われる。

 審議は請願書の紹介議員4人のうちの1人、筒井寛議員(ejoy香芝)に対する質疑という形で行われた。

 請願書に反対する立場から、河杉博之委員(公明)は「受動喫煙を防止できる施設を作りながら、喫煙者も非喫煙者も守るというのが行政の責務」などとし、2021年度税制改正の大綱の閣議決定が「地方たばこ税の活用を含め、地方公共団体が駅前・商店街などの公共の場所における屋外分煙施設等のより一層の整備を図るよう促すこととする」としたことについて、「これが一番新しい流れ」などと述べて、筒井議員の見解を尋ねた。

 筒井議員は「請願書は、一切の喫煙所を新設するなといっているわけではなく、市の公共施設敷地内に新設しないこととしている」と答えた。

 請願書に対する賛成討論を行った中井政友委員(共産)は「市民の間では喫煙施設を作ることに反対の声が大きい。県や国の方向とも違う。市民に対し禁煙の模範にならなければならない市が受動喫煙防止対策を理由に喫煙施設を作ることは、社会の流れに逆行する動きを示すことになる。市に入るたばこ税のために喫煙施設を作ることは発想が逆転している」などと述べた。

 2019年7月の健康増進法の一部改正で病院や学校、行政機関などは原則敷地内禁煙となったが、屋外において受動喫煙防止措置が取られた「特定屋外喫煙場所」の設置は可能とされた。決議が求める屋外分煙施設設置について「市民の声」は、厚生労働省が都道府県知事などにあてた2019年2月の通知が「敷地内禁煙が原則であり、特定屋外喫煙場所を推奨するものではないことに十分留意すること」としている点を挙げて、制度の誤った運用だと批判している。 続報へ

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