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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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ジャーナリスト浅野詠子

奈良県域水道一体化、参加反対の意見相次ぐ 葛城市が市民説明会 市長、16日に議会特別委で態度表明

多くの市民が参加し、活発な質疑応答が繰り広げられた葛城市の水道一体化の説明会=2022年12月13日夜、同市南藤井の市新庄文化会館

多くの市民が参加し、活発な質疑応答が繰り広げられた葛城市の水道一体化の説明会=2022年12月13日夜、同市南藤井の市新庄文化会館

 奈良県葛城市は12月13日夜、同市南藤井の市新庄文化会館で、県域水道一体化の基本計画案(県と26市町村で策定)などについて市民説明会を開き、「参加・不参加の判断は16日の市議会・県域水道一体化調査特別委員会で表明したい」と述べた。

 県内一安い同市の水道料金に配慮し、葛城市には大淀町とともに約30年間、別料金体系(セグメント会計)が採用されることも報告された。

 説明会は「葛城市水道事業の将来について」と題して開かれ、市民188人が参加。「市は一体化に参加するべきでない」とする反対意見が相次いだ。

 阿古和彦市長は、単独経営を継続した場合、想定されるメリットとデメリットを具体的に示しながら、市民の質問に一つ一つ丁寧に答えた。

 県が中心に作成した一体化構想の資料にはデメリットの想定表記がないことから、ある参加者は「そんなにいいことばかりなら、なぜ奈良市は不参加を決めたのだろうか」と質問した。

 また、一体化構想を推進する理由として県が指摘してきた熟練職員退職に伴う技術継承の懸念に対し「市が人員を確保する努力をしたらよいではないか」と提案する参加者もいた。経営難の市町村ほど料金で得をする一体化の試算グラフも示され「困っているところに対してはまず県が助けるべきでは」との声も上がった。

 葛城市は、葛城山系の谷水などを集めた江戸期築造のため池8カ所を水源として、取水地区の協力の下、県営水道より格段に安い水道を製造できる。一方、「災害などの緊急時において、企業団(一体化の受け皿、一部事務組合)に比べて人員・機材(給水車など)の配置が不足する可能性がある」と市上下水道部は解説した。 続報へ

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