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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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ジャーナリスト浅野詠子

効果額を大幅に下方修正 奈良・県域水道一体化 800億円から500億円に

 奈良県が進める市町村営水道一体化で見込まれる効果額の試算が、当初、公表されていた800億円から大幅に下方修正され、500億円へと見直されたことが25日、明らかになった。

 開会中の県議会6月定例会一般質問で、井岡正徳議員(自民)が県域水道一体化の意義と進展状況について尋ね、答弁に立った荒井正吾知事が言及した。

 試算では、県が目標とする2025(令和7)年度の一体化による事業開始から2048(令和30)年までにおいて、500億円の効果額が見込めるという。

 荒井知事は、500億円が下方修正された数字であることに触れなかったが、県は2018年3月発行の県広報紙「奈良モデルジャーナル」で「約30年間で800億円程度の効果額が見込める」との試算を公表していた。

 県水道局業務課によると、当初、県内市町村営水道の地下水などの浄水場14カ所を一気に廃止した場合の効果として試算したが、今後の市町村との協議において、徐々に段階的に廃止していく可能性もあるため、数値を改めた。

 また、来年に予定している県域水道水一体化に向けた覚え書き締結を前に、すでに県営水道100%に移行済みの橿原市、川西町、王寺町なども含めて「一体化」の効果として数値化し算定したが、あらためて行った試算では除外した。

 これらの2通りの「引き算」から、当初公表した800億円に比べ300億円マイナスの開きが生じた。

 県の一体化構想では、紀の川水系吉野川の大滝ダムを主水源に、県営の御所浄水場(大滝、大迫、津風呂ダム)、桜井浄水場(室生ダム)、奈良市営緑ケ丘浄水場(布目ダム)の3浄水場のみを残して合理化し、水需要減少時代に備える考え。注目される水道料金のあり方はまだ打ち出せていない。

 答弁で荒井知事は、効果額などの数値について「今後も精査していく」と述べた。【関連記事へ】

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