県議会、県庁駐車場無料券交付 傍聴者向けちらしに明記 「奈良の声」指摘がきっかけ
奈良県議会の正面入り口=2020年12月11日、奈良市登大路町
県庁駐車場無料駐車券交付を明記した傍聴者向けのちらし
奈良県議会は、2015年から実施している傍聴者への県庁駐車場無料駐車券の交付について、それが分かるよう傍聴者向けのちらしに明記するようになった。無料駐車券の交付は、「奈良の声」が傍聴者への配慮を求めたのがきっかけで始まった。県庁駐車場は2013年の有料化で、利用時間が2時間を超えると1000円の料金が発生するようになった。議会の傍聴者は置いてきぼりになっていた。
ちらしはA4判大、「傍聴者へのお願い」と題して傍聴時の注意事項を列記。議会受付で傍聴を申し込んだ人に渡している。そのちらし紙面の一番下に「県庁来庁者駐車場のご利用者へ」として、「傍聴時間が2時間を超えた場合は無料駐車券に引き換えますので傍聴者受付にお申し出ください」と記載している。
議会事務局によると、2019年度の傍聴者数は本会議と委員会などを合わせて478人。無料駐車券の交付枚数は19枚だった。本年度は12月8日までに10枚を交付した。
県庁分庁舎東側にある県庁駐車場はもともと、平日には無料だった。2時間の制限はあったが、超えても料金は発生しなかった。有料化は、2013年4月に県庁隣の県営登大路観光自動車駐車場(有料)が、奈良公園バスターミナル建設に向け閉鎖されたときから。県奈良公園室によると、現在の位置付けは、来庁者用駐車場ではなく、一般駐車場「奈良登大路自動車駐車場」という。
記者が2015年6月、県庁駐車場に車を止めて県議会定例会の本会議を傍聴取材した際、傍聴時間が2時間を超えた。記者は、議会事務局に「県民が議会を傍聴して1000円は高すぎる」と訴えた。 関連記事へ