県域水道一体化協議 大和郡山市への内部留保資金の優先配分提案に意見 市議会運営委
県域水道一体化構想について報告や意見のやり取りがあった大和郡山市議会・議会運営委員会=2022年10月24日、同市役所
奈良県大和郡山市議会の議会運営委員会(林浩史委員長、8人)が10月24日開かれ、県域水道一体化構想への参加を求める県と同市が協議に入ることについて理事者側が説明した。委員からは参加に慎重な意見が複数出た。
市は2020年、一般会計に移転した水道会計の内部留保資金28億円の在り方で県と対立。その打開策を巡り、10月13日開催の第4回県広域水道企業団設立準備協議会(会長・荒井正吾知事、26市町村)で構成員の市長から「(仮に28億円を元に戻し大和郡山市が参加する場合)市の内部留保資金を市内水道施設の更新に対し優先的に充ててもよいのでは」と提案し、知事が理解を示したことに対し、丸谷利一委員(豊政会)が意見を述べた。
丸谷委員は、大和郡山市の耐震化などに対応した管路更新率が1.38%(2020年度)と、県内市部で2番目に高い好成績であることを引き合いに出した。一体化の参加を予定している26市町村の同率平均は0.54%にとどまり、全国平均の0.68%を大きく下回っている。一体化の企業団(一部事務組合、2025年度事業開始予定)の最大級の課題になっている。
大和郡山市が一体化に参加する場合は、移転した28億円を元に戻し計81億円の内部留保資金を企業団に供出することが前提になる。丸谷委員は「すでに他市町村に先駆けて更新の投資に努めている。提案は、大和郡山市の参加のために優先的に充てるというが、市民生活にどのようなメリットが出てくるのか疑問」と述べた。
これまでの一体化協議で県が通告した同市営の地下水浄水場の廃止予定年度は、北郡山浄水場が2026年、昭和浄水場が2041年。
協議の結論2月ごろ 市「参加ありきでない」
富田豊市上下水道部長は委員からの質問に先立って、13日の一体化協議会が「大和郡山市の意見を聞きつつ、調整を進める」と示したことを報告。「一体化への参加ありきでなく、今後どのような調整がなされるのか、議会にも報告しながら判断したい。持ち寄る資産の平準化と自己水源の確保の要望2点を伝え協議する。結論は来年2月ごろになるだろう」と述べた。
荒井知事は、仲川げん奈良市長が一体化離脱を表明した翌日の10月5日、「大和郡山市に参加してもらうための腹案がある」と表明した。 関連記事へ