生駒市が奈良県域水道一体化の市民説明会 参加メリット訴え 準備協議会の市町村で初の開催
県域水道一体化の市民説明会に臨む小紫雅史生駒市長=2022年11月20日、同市北新町のたけまるホール
奈良県域水道一体化への参加を目指す生駒市は11月20日、同市北新町のたけまるホールで、一体化の概要や現状をテーマに市民説明会を開いた。県広域水道企業団設立準備協議会(会長・荒井正吾知事)に参加している県と26市町村の中で、市民を対象に説明会を開くのは同市が初めて。市民約120人が参加、小紫雅史市長らが質問に答えた。
同市の水道は、2021年度実績で自己水(井戸)が34%で、残る66%は県営水道に依存している。自己水は真弓、山崎の2浄水場から供給されている。現在まで健全経営を続けている。
市上下水道部による説明では、市が一体化に参加するメリットとして(1)水道料金の抑制効果(2)管路更新・老朽化対策の加速(3)国・県の財政支援(4)市町村の区域を越えた施設・設備の最適化ーなどが示された。
水道料金については単独経営に比べ、事業統合初年の2025年で1立方メートル当たり38円抑制され、それから30年後の2054年で93円抑制されるとした。
奈良市が不参加となったことの影響についても分析結果や対応策を示した。国・県の財政支援の金額が減っても管路更新のペースは逆に加速されることや、水道料金の抑制効果は縮小しても生駒市にとってのメリットは確保されることなどを挙げた。
また、当初予定されていた奈良市の緑ケ丘浄水場からの送水連絡管延長の代わりに、廃止予定だった真弓浄水場(井戸利用)が残されることになり、水道のバックアップ機能を維持できるとした。山崎浄水場は2048年度以降に廃止の予定でそれまでは存続するとした。
参加者からは、市の方針を支持する意見がある一方で、「統合後、民営化しない保証はあるのか」「もっと議論を尽くしてほしい」「生駒市以外の市町村は説明会を開いていない。住民が知らないままに進められていくことに不安を感じる」などの質問や意見があった。
小紫市長は「民営化しないということを基本計画に明記する」「市民説明会を開いたのも質問、意見をいただきたいというわれわれの思いの表れ」などと述べて、一体化参加への理解を求めた。 関連記事へ