あちこちで手荷物の中身確認 日の丸配る団体も 上皇夫妻奈良県訪問、沿道の様子
日の丸を手に上皇夫妻の到着を待つ人たち=2023年5月16日、奈良市登大路町
上皇と上皇后が奈良県斑鳩町の中宮寺などの訪問のため5月16日夕、奈良市に到着した。夫妻を出迎えようと集まった人たちが埋める沿道の様子を取材した。警察はあちこちで手荷物の中身を確認するなど警戒を強めた。一方で、日の丸の小旗を配布する団体関係者の姿もあった。皇室を取り巻く状況を出迎えの現場で確かめた。
夫妻は14、15日と京都で過ごし、16日午後4時ごろ、近鉄電車で奈良駅に到着。車で宿泊場所の奈良ホテルに移動した。
ホテルに向かう沿道では、夫妻が駅に到着する1時間ほど前から人が集まり始めた。一方、県警は大勢の警察官を動員し、沿道の随所に配置した。夫妻を待つ人たちに対しては、歩道の一角に設けた出迎え用の場所に集め、目が行き届くようにした。こうした場所は、駅から県庁に至る大通りの500メートルほどの区間に数カ所設けられた。
集まった人たちに対する手荷物の中身の確認は年配の女性などにも区別なく行われた。出迎え用に指定された場所から少し離れた所にいた筆者も、複数の警察官から行動の目的を聞かれたり、かばんの中を見せるよう求められたりした。
沿道で日の丸の小旗を配布する人たちがいた。筆者が「どちらが配布しているのか」と尋ねると「日本会議」と答えた。日本会議はホームページによると「美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する民間団体」。
県中小企業会館前の指定場所には少なくとも100人前後が集まった。夫妻を乗せた車は午後4時すぎ、人々の前をゆっくりと通過していった。「ワー」と歓声が上がるとともにたくさんの日の丸がはためいた。
県の発表資料によると、夫妻はきょう17日午前、中宮寺を訪問し、午後は天理市の県施設なら歴史芸術文化村を視察する。この日も奈良ホテルに宿泊し、18日、帰途に就く。 関連記事へ