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ジャーナリスト浅野詠子

水道一体化「見切り発車しない」 10月の準備協議会で論点整理 奈良県議会で知事

奈良県議会=2023年7月、奈良市登大路町

奈良県議会=2023年7月、奈良市登大路町

 奈良県域水道一体化の見直しを検討している山下真知事は9月22日、10月に開催予定の第2回県広域水道企業団設立準備協議会(法定協議会)で、現在整理中の論点を関係市町村と協議したいと県議会定例会の一般質問で述べた。

 自民党・無所属の会の芦高清友議員が、知事就任前に26市町村議会が一体化参加に向けた関係議案を議決したことを踏まえ、今年2月に策定された基本計画・基本協定に賛成する立場で今後の進め方について尋ねた。

 知事は「一体化は必要という認識をしている。基本的な枠組みを大きく変えることはない」と答弁。その枠組みの範囲の中に、事業初年度から水道料金を統一する方向が含まれるのかどうかについては明言しなかった。

 一方、今年7月の第1回協議会で知事が意欲を示した料金水準の見直しが、今後の重要な論点の一つになることは予想される。荒井正吾前知事時代に試算した廉価な水準を覆す厳しい見直しが行われると、経営が良好な大和郡山市や大淀町などの「参加」「不参加」の議会論議にも影響する。

 芦高議員は、一体化を正式に位置付けた新県域水道ビジョンや企業団設立に向けた協議など6年間の流れについて述べ、一体化は水道施設の老朽化対策推進などに期待できるとした。

 山下知事は「荒井知事時代の計画に問題がある部分は改めたい。見切り発車で進めるのでなく、論点が未整理のままスタートして後々、混乱を招くようなことがあってはならない」と抱負を述べた。

 新県域水道ビジョンは2019年3月の策定。当時は緩やかな広域連携である経営統合でスタートし、一体化の受け皿となる企業団(一部事務組合)の事業開始後10年以内に料金統一による事業統合の構想を定め、県議会も議決した経緯がある。翌年、県は統合当初からの事業統合、料金統一の方針を固めた。 関連記事へ

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